「扱う題材に見合うスペックが無い」太陽 ほくほくさんの映画レビュー(感想・評価)
扱う題材に見合うスペックが無い
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終盤までは違う監督の作品と勘違いしながら見ていた。長回しとカメラの使い方などサイタマノラッパーの真似をしてるのようで疑問に思っていたら、まさに入江悠だった。
この作品でこの手法は、有効活用できてなかった感じがするし、長回しでないところの編集も間延びが多すぎる。序盤の3人でふざけながら帰るシーンもで、自然の中で育ったところを表現したかっのだろうけど、ずっと「バーカ、バーカ」と言って走ってるだけ。しかも長い。この監督は他の作品もそうなんだけど、遊びのユーモアが無く、思い付かないんだと思う。
引いた絵にも拘りを見せていると思いきや、終盤のどうでもいい施術のシーンでやたらアップを使い始める違和感。なにせ役者陣がどういう顔をしているかあまり分からないまま終盤まで進んでいたから。
無駄な正義感のご都合男がストーリーを乱す。村人を巻き込んでの長回しは興醒め。長回しを撮りたいが為に帰ってきただけで、物語に必要なのは最初だけだった。何年もバイクでどう過ごしてきたかが一切分からないし、あんなに重要なシーンに中身がスッカラカンで怒りや憎しみしか生んでない。
設定も変で、科学が大分進んでいるのにも関わらず防護服は無いし警備員が長細い棍棒しか持ってない。村は監視しているくせに出入り口の監視カメラは無いに等しい。しかも警備員は1人。太陽という弱点もあるなら尚更に複数人必要でしょう。
作り手が、扱う題材や物語に見合ったスペックを持ち合わせていなかった、そんな作品。
役者陣、特に神木隆之介はかなり頑張ったと思う。
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