劇場公開日 2016年4月23日

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「異色の角度から問いかけられる、生きていくことの意味。」太陽 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0異色の角度から問いかけられる、生きていくことの意味。

2016年5月26日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:舞台の設定が斬新。新人類として制約の中で豊かな暮らしを生きるか、旧人類として貧しくも自由に生きるか、決断を迫られる若者達の悲哀がしっかりと描かれるのも印象的。
否:展開はかなり淡々と進むので、興味を惹かれないと眠くなりそう。グロシーンやラブシーンもあり。

 設定はかなりSFチックな印象ですが、本作で描かれているのは、農村で貧しく暮らしていた“キュリオ”の主人公達が、都会の“ノクス”からの接触によって、次第にその生活をかき乱されていく様子が淡々と描かれていく、あくまでも静かな雰囲気の作品です。そのため、人によっては退屈で眠くなるかも知れません。
 日の光を浴びられなくなるが、文明的な生活を送れるノクスを選ぶか、生活は貧しいが、あくまでも人間として生き続けるか。若き少年少女達に突きつけられる究極の選択に、なんとも考えさせられます。
 グロシーンや乱暴するシーンも少しありますが、「生きていく」ということの意義を変化球な角度から問いかけてくる、異色の作品といえそうです。

映画コーディネーター・門倉カド