「ノクスの恐ろしさ」太陽 IINOさんの映画レビュー(感想・評価)
ノクスの恐ろしさ
ノクスは心から善良。
本当にキュリオのことも平等に考えている。
しかしとにかく感情がない。
人間は感情を持ち、日々悩みが尽きないからこそ人間なのに、ノクスは恐ろしいまでに無機質で、とても機械的な存在。
ぞっとする。
すべてを何の疑いもなく受け入れている。
門脇麦さんのノクスになった後の演技が、心に刺さる。
声色や表情がまるでロボットのようになってしまった。
彼女のお父さんは、キュリオがノクスになると人間としての感性やあたたかみがなくなってしまうことを知りながらも、彼女の「豊かな」生活を願って送り出した。
その無条件な愛にただただ胸を打たれた。
思い入れのあるマフラーも、あっけなく新しいマフラーがあるからと断ってしまうような生き物がノクス。
豊かさとは何か、そして、人間の危うさを問うている映画だった。
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