「ピアノの音は女心で揺れる」キャロル everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
ピアノの音は女心で揺れる
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同性愛モノに共感できるか、観ようか迷ったのですが、怪しい魅力全開の美魔女と彼女の虜になった生娘の、ただの恋愛話ではないです。
Carolは本当の愛を知っている人、そしてありのままの自分と心を愛している人だと思いました。
女性の魅力を凝縮したこの映画では恐らくあえて、登場する男性が皆、押し付けがましい性格に描かれています。それ故、女性ならではの繊細さ、相手の心を汲む優しさと共感が際立っています。自分の心の方向性が定まらないThereseが答えに窮する時、男性陣は皆トンチンカンで一方的な慰め方や問い詰め方ですが、女性陣は暖かく包み込むような対応です。傷付いた時、Carolに側にいて欲しい!と思いました。
映画"Shame"では"we're not bad people"というセリフに依存症の苦しみが現れていましたが、この映画ではCarolが"we're not ugly people"と言い放ちます。世間の枠に当てはまらない恋愛、価値観で生きようとも、そこに清らかな美はあるのです。
John Galsworthyの一節
"Love is not a hot-house flower, but a wild plant...(中略)... flower or weed, whose scent and colour are always wild!"
まさにこれです。
幾つになっても揺れる女心に、映像だけでなく音楽も美しく重なりました。
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