劇場公開日 2015年6月6日

  • 予告編を見る

「二度と悲劇を繰り返してはいけません」おかあさんの木 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5二度と悲劇を繰り返してはいけません

2015年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

ビックリするぐらいオーソドックスな映画でしたが、憲法改正で戦争が現実味を増している今だけに、物凄く伝わってくるものがある映画でしたね。
二度とこんなことを繰り返してはいけない、そう改めて語りかけられているようで、とても胸に響くものがありました。
戦争を知らない世代が大半となってきた今の時代だからこそ、見るべき映画なのかもしれません。

この映画は母目線、戦争に行った者ではなく、残された者の視点で描かれていたのが特徴的でした。
最愛の我が子7人が、全て戦地へ連れて行かれた母の心情を考えると、胸が苦しくなってしまいましたよ。
この映画の主人公に限らず、日本全国どこにでもあった話と考えると、本当に狂っていた時代としか言いようがないですね。

しかも子供に生きて帰って来いと言ったら非国民扱いなんて、ありえなさ過ぎる。
国に命を捧げて万歳?息子の戦死で母は軍神の母?そんなのちっとも嬉しくないのに、喜ばなくてはいけない時代だったんですね・・・悲しすぎます。

鈴木京香が息子の足にすがりつくシーン、息子の無事を願って桐の木を植え語りかけるシーンは、物凄く印象に残りました。
まあちょっと綺麗過ぎるお母さんなのはご愛嬌と言ったところでしょうか。
やや展開が単調だったのと、ラストが悲劇的過ぎたのは気になりましたが、戦争の悲劇を忘れない為にも、見ておいて損の無い映画ではありましたね。

スペランカー