劇場公開日 2015年9月11日

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「全てを捧げて磨いても束の間で散っていく才能」ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0全てを捧げて磨いても束の間で散っていく才能

2015年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

2015/09/14、TOHOシネマズららぽーと横浜で鑑賞。

声変わりする前のほんの2,3年、全てを捧げてスターに上り詰めても、声変わりの日が来たらその座から降りなければならない。そんな切なく儚い世界で、自分の輝ける場所を目指して頑張る少年たちはとても美しかった。

最初は荒んだ目をしていたステットも、少年合唱団のライバルたちと切磋琢磨するうちにソロの座を勝ち取りたいと思うようになって、だんだんと合唱の世界にのめり込んで目が輝き出していく様はいいものだった。お約束の意地悪なライバルがいたり、途中脱落しそうになったりしますが、そうやって勝ち取ったクライマックスのソロ2オクターブのレは感動モノでした。

そうしてやがてその才能を神様に返還する日が来るのですが、彼はもっと大事なものを得ます。ラストは悲壮感はなく、幸福感があります。

月野沙漠