君がいなくちゃだめなんだのレビュー・感想・評価
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花澤香菜は◎ だけど、映画のデキはかなり×
うーん、花澤香菜を満喫したくて観た映画でしたが、内容がダメダメすぎて、かなりがっかりでした。
色々と問題点の多い作品だけど、
1番悪いのは、分かりづらい構成であること。
2番目に悪いのは、お父さんの演技。かな?
結局、花澤香菜は何者だったの?
お父さんが小説のストーリー的に蘇らせた。という話だったら、途中で「私分かっちゃった。私はアキでもあり、ペローでもあるんだね」のセリフが意味わからないし(どういう立ち位置でしゃべってるの?)。あと、お父さんの「私には書けない」のセリフも辻褄が合わない。
もし、魔法か何かで蘇っているのだったら、「私、この話を知ってる」というセリフは理解できるようになるけど、立て看板とかの意味がわからないし。
あと、お父さん。いつまで引きずってクヨクヨしてんだ、って話で、お父さんのオーバーアクトが話を白けさせている。非常に目障り!!
花澤香菜の色々な表情を楽しめるし、ペローのところで声優テクニックも見れるので、花澤香菜関連ではそこそこ満足なんだけどね。
本当の主役は
花澤香菜演じる女性作家が主役のように見えて、最後まで見ると実は物語の真の主人公は父親の方だったことがわかる。映画としてはおそらくこの方が正しいが、花澤香菜目当てで見ると消化不良というかもやもやした気分が残ると思う。最後までPV風で押し通してしまっても良かった気もする。
映画というより長いミュージックビデオ。
花澤香菜さんは声優としては上手さで売っているわけではなく、アイドル声優として可愛いビジュアルで売っている声優さんというイメージ。肉体を使った俳優(女優)としての演技はどうかといえば、やはりイマイチなところ。
化物語の可愛い系か、サイコパスのようなクール系か、演技の幅も深みもない方は実写の演技でも監督の動線指示とセリフを遵守するだけで、見ていて何も楽しくないです。せっかく映画館で上映する本編でのデビュー作なのにも関わらず、立って微笑んでいるだけで済んでしまうミュージックビデオの枠を出ることができなかったのは非常に残念です。
花澤香菜さんを主演にした実写映画の企画を通すなら監督には映画を撮るつもりの人を選んでほしいです。こんなことを言っても仕方がないのは、この企画の最大目標が主題曲を売るためにあるようなものだからです。モノローグを多用して声優の良さを出したり、物語の物語という入れ子状になっている絵本の主人公は花澤さんの持つイメージに合っているとは思います。
脚本は倉本健次さん。パンフレットには「親子揃って作家という、業の深い職を私は与えてしまいました。作家とは、登場人物の人となりを、人生を、或いは生死までも容易く操作し、作品を手にとる人間の喜怒哀楽を創り上げようとする者達です。」と独自の作家論を展開しています。自身も作家であると述べ、登場人物の人権と永遠の幸いを祈り続ける者達と。
つまるところ作家のキャラクター自身に対する「こうなってほしいな」という「祈り」がこの物語のテーマになっています。ただし、映画を構成する役者や音楽や画面設計や撮り方や美術や衣装が雑然としていてごり押しで作っている感が拭えずいまいち最後まで乗ることができませんでした。そのメッセージ、よく伝わりませんでした。花澤香菜さんは可愛く撮れてるし、声も耳に気持ちよく録れてるから花澤香菜の長めのミュージックビデオという感じでみればいいかもしれません。
物見遊山で観たらやけどするので、熱狂的なファンでなければ、DVDを待つのがオススメです。花澤香菜ファンならこの春絶対マストで観るべき映画です。CDを買って、曲を聴いて、映画館で観て、パンフを買ってグラビアを部屋に貼るくらいは当然でしょう。
星は花澤香菜の可愛さに一つ。こんな企画をよく通せたことに半個。1.5個です。おつかれさまでした。
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