タイム・ハンターズ 19世紀の海賊と謎の古文書のレビュー・感想・評価
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軽妙な歴史ロマン・コメディ
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ロシアのバック・トゥ・ザ・フューチャーものなのだが、もし19世紀にロシアがアメリカの入植地を手放していなければ豊かな国になれたのにというロシア人のアメリカンドリームを題材にしている点でユニークだ。海賊との戦いなどアクションシーンはあるけれどパイレーツ・オブ・カリビアンのようなど派手なものではないので物足りない。タイムマシンもデロリアンどころかスマホ一丁と言う低予算、そもそもタイムスリップ・アプリを仕込んだモスクワ時間矯正サービス社なる組織が謎のまま、エージェントも謎の東洋人にした意味が分からない。したがって、SFと言うより軽妙な歴史ロマン・コメディと言ったあたりが妥当な評価だろうか。
歴史ロマンと言ってもロシア人から見ればと言うことなのでピンとこないのは致し方ない、脱線するがアラスカへ最初に入植したのはロシア人の毛皮業者たち、彼らへの小麦などの食糧調達や、貿易基地としてスペイン領と接してカルフォルニアに拠点を置いたのが劇中のロス砦(原題のFort Ross)である。ロシアの本拠地だったアラスカでは乱獲で毛皮動物も減少し貿易も衰退、もともとフォートロス辺りは小麦の栽培に向いていないこともあり1841年にゴールドラッシュの悲劇の人で有名なジョン・サッターに売却されてしまった。アラスカもクリミア戦争などで英国の脅威もあり、ただで取られるよりましと1867年に720万ドル(現在価値で100億円位)でアメリカに売ってしまった。その後、アラスカや西部で金鉱が多く発見されたのでロシア人は悔やみきれなかったのだろう。
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