「.」ピンクとグレー 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅(CS放送)にて鑑賞。『スタンド・バイ・ミー('86)』や『マグノリア('99)』等の引用がキャラクターの設定に用いられており、“ファレノプシス”と云う聴き慣れない語がプロットを解く鍵とされている。本作の売りの一つである大きな仕掛けが、丁度尺の半分位の位置に設置されているが、画面の色調の変化等で判り易い転換の割に、描かれているプロットは少々判り辛い。ただこの卓袱台返しは、本当に描きたかった事、伝えたかった事がストレートに響く半面、そのメッセージ性は当事者同士にしか理解し難い様な気がする。65/100点。
・大きなネタバレとして、インセストやシスコンは倫理観以上に生理的な嫌悪感が先立ってしまうが、本作で描かれるそれらはやや稚拙で、軽薄短小気味に映ってしまっており、現実感が乏しい──大きなマイナスポイントである。
・鑑賞の妨げとなる役名を避け、演者名で書くが、前半カラーパートと後半モノクロパートのめりはりの効いた夏帆に較べ、中島裕翔は演技の変化が乏しく、これは菅田将暉にもその傾向が見てとれる。たまたま現場に居合わせたと云う原作者の加藤シゲアキも、前半、主人公達が東京で偶然出逢うシーンで、カップルの一人としてカメオ出演している。
・鑑賞日:2017年10月8日(日)
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