劇場公開日 2016年1月9日

「痛々しくも美しい青春映画」ピンクとグレー やっちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0痛々しくも美しい青春映画

2016年1月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

原作を読み込んでいたので設定は思った通りで、どのタイミングでどんな風に切り替わるのかと後半の展開に期待していた。はじめて観たときは後半の展開についていくのに必死で涙はでなかった。2回目からは後半の作品の世界にどっぷりはまり主人公に感情移入した。
「訳がわからなかった」とか「衝撃的なシーンに嫌悪感を感じた」という感想をよくみる。この映画は原作未読だと1度で味わうのは難しいかもしれない。もう1回みたいなと思わせることができたら大成功といった作り方をしているのではないか。実際インタビューで2回目に観たときに面白味がでる演技をしたと菅田くんが言っていた。
原作の世界観をつくるうえで大切に読んできたシーンがかなり省かれている。映画という媒体にするうえで仕方がないのかもしれないが、少し残念に思った。
青春は恥ずかしくて痛々しくて自信がなくて人を傷つける。監督は青春を俯瞰で見ることができる年齢になったからこそ出来た青春映画だと言っていた。監督と同年代の私にはその言葉がよくわかる気がする。

やっちゃん