「頑張れ!ではない、頑張ってる僕らを応援してくれる映画。」マイ・インターン ひびのさんの映画レビュー(感想・評価)
頑張れ!ではない、頑張ってる僕らを応援してくれる映画。
元気と仕事への活力をもらえる良作。単なるファッション映画かなとタカをくくっていた自分が馬鹿でした。
なによりもテーマが素晴らしかった。
「次のステップに進むために自分を変えろ!変化しろ!」
なんて説教じみたことではなく、
「めいいっぱい頑張ってるあなたをしっかり褒めてあげなさい。」
こんなことを映画を通して言ってもらえてるような気がして。
すごくホッコリとしました。
若くして成功した女性実業家と御年70のベテランインターンとの交流の話を描いた作品なんですが、
経営危機に陥りかけた会社をインターンおじいちゃんが抜群の昔気質のビジネススキルで救うとか、
想像力に乏しい僕はそういう「お仕事ドラマ」でありがちな痛快な展開になるのかなと安易に予想していたのだけど、全然違う。
描かれていたのは、
一生懸命に働く様々な職種のすべての人に対するリスペクト。
アナログな発想で社内に新しい風を送りつつも、デ・ニーロ扮するシニアインターンはデジタルな仕事のやり方に敬意を払う。
会社の経営はすごく順調で、すこぶる有能なアンハサウェイ演ずる女社長もまた、デ・ニーロに様々なアドバイスを受けるんだけども、デ・ニーロもデ・ニーロで彼女の仕事ぶりに舌を巻く。
幸せを手に入れるためには変化する、変化しなくちゃならないときはあるけども、待ちなさい。
私は知っている、今のあなたの頑張りを。
その一生懸命はきっと未来へつながっているはずだ。
今のあなた自身をしっかり褒めてあげなさい。
デ・ニーロの包容力のある演技がまさにそのメッセージを象徴しているようで。
少なくとも僕はこの映画からそんな想いを受け取りました。
全編を通しての緩やかな雰囲気と暖かい時間。
すごく癒された!いい映画でしたよ。