「ファンタスティック・フォーの悲劇」ファンタスティック・フォー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタスティック・フォーの悲劇
特殊能力を持った4人のヒーローチームの活躍を描いたマーベルの人気コミックをリブート。
未だ前2作の印象が残ってるのにもうリブートするなんて(スパイダーマンとは事情が違う)、吉と出るか凶と出るか微妙だったが、結果は凶と出た。
前2作のオープニング成績にも満たない興行的に大コケ、ロッテントマト一桁台という酷評。ラジー賞ノミネート。
で、実際に見てみたら、ハイ正直、前2作の方が面白かったな…。
前2作はポップでコミックテイストの楽しさが受けたんだと思う。
今作は打って変わってシリアス&ダーク風味。
昨今のアメコミの主流であるこの路線は、言うまでもなく「ダークナイト」の影響。
でもそれは、闇のヒーローであるバットマンだから上手く言った訳で、何でもかんでもシリアス&ダークにすりゃいいってもんじゃない。「マン・オブ・スティール」でさえ違和感があった。
図らずも特殊能力を持った存在になってしまった彼らの物語はシリアスにもなり得るが、やはり観客が見たいのは痛快に活躍する姿で、それが興行的大コケに表れていると思う。
映画の出来も決していいとは言えない。
幼少時から始まり、天才が故の孤独・疎外感はいいとして、彼らが出会って特殊能力を持つまでで上映時間の半分!
前2作はこの部分があっさりしていたので、今回はそれを丹念に描こうという試みだったかもしれないが、ただでさえ時間が短い(100分)のに、幾ら何でも長過ぎ…。せめて30分で出来なかったものか…。
「バットマン ビギンズ」だってブルースがバットマンになるまで長かったが、あちらはドラマとしての見応えがあった。それを言っちゃうと根本的な問題になってしまうが…。
やっと超能力ヒーローになり、これから見せ場満載の活躍…アレレ!?
苦悩・葛藤、昨今のアメコミの定番ドラマ。
一見きちんと描いているようで、その実、特に深くも無く…。
これと言った見せ場も無いまま、いつの間にかクライマックスへ。
やっとこさお待たせしました、一番の見せ場の超能力アクション!
…よ、弱すぎ。
かといって、敵ドゥームもそれほど脅威を感じず…。
そのドゥームとの確執もあっさり。
アクション・シーンも目新しさは無く、一番の盛り上がり所が何だかダイジェスト的。
そして、脅威は去った。
晴れてチームとなった“ファンタスティック・フォー”の新たな物語はここから始まる!…という続編を意識した終わり方。
監督は「クロニクル」のジョシュ・トランク。
マイルズ・テラー、ケイト・マーラ、マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・ベル…。
せっかく揃った旬な監督&キャストのケミストリーならず。
続編の企画は中止。
MCUや他のマーベル作品とのクロスオーバーも無いだろう。
早々と忘れられて黒歴史に…。
劇中の彼らにかけて言うなら、
“ファンタスティック・フォーの悲劇”
そういや、公開されたのはスタジオに勝手に編集されたものだと監督が激怒していたのを思い出した。
監督版の出来は果たして…?
近大さん、私も観ました。
ひどい出来でしたね。
リブートする意味や価値が見いだせませんでした。
書かれている通り戦闘シーン少なすぎ。
前作が面白かっただけに残念です。
ぼちぼちレビュー増やしていきます。
良かったらみて下さいね。