劇場公開日 2015年9月11日

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「【Manners maketh man】」キングスマン ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【Manners maketh man】

2021年12月24日
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この「キングスマン」の面白いのは、“マナーこそ人たらしめる”の古典的なイギリス英語表現”Manners maketh man”を使いながら、戦う相手は、伝統的な選民思想の連中という皮肉のたっぷりのストーリーであるところだ。

選民思想は、人種主義や民族主義、或いは、宗教原理主義、国家主義の背景にデーンと存在する考え方だ。

こうした連中は、かなりドンパチ好きなんだけれども、内容は厄介だ。やっつけられるのは自分達なのだから😁

(以下ネタバレ)

この作品が作られたのは、もう7年近く前になるが、実は、リベラルなポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)もかなり盛り込まれている。

先進国の白人を中心にした選民思想の連中を煽(あお)り、人類こそウィルスだと喧伝し、ほとんどの人種をカーネイジ(大虐殺(ヴェノムふう言い回し))しようとするのは、サミュエル・L・ジャクソン演じる黒人IT起業家だ。
そして、最強の右腕兼ボディーガードは、女性のハンディキャップ。

さらに、キングスマンの選考会で、最後に残ったのは、女性のロキシーと、労働者階級出身のエグジーで、ハイソの白人男性は選ばれない。

もう、レイシストなんかの連中は発狂しそうな設定だ😁

それともう一つ。
この作品は、評論家連中が指摘しそうなところを逆手にとって、言い訳のようなものも用意している。

それは、人を殺しまくって残酷だという点だけれども、ペットの犬は殺しません…という、動物愛護精神を提示している。

実際、映画公開後の評価では、面白いけど残酷過ぎだというものだった。

まあ、何というか、皮肉たっぷりさな上、人を喰っている感じだけれども、実は、綿密に構成されたアクション・ポリコレ・コメディなのだと思う。

あの傘と、防弾スーツは欲しいよね。

ハリーは残念だったけど……。

ワンコ
CBさんのコメント
2021年12月25日

> 綿密に構成されたアクション・ポリコレ・コメディなのだと思う
なるほど、そうなのかもしれませんね。馬鹿だけれど面白いとか言っちゃって、悪かった気がしてきました

CB