アクトレス 女たちの舞台のレビュー・感想・評価
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一般人には難しすぎる?芸術的すぎる女優達の葛藤。
【賛否両論チェック】
賛:女優達の舞台にかける情熱が、雄大な自然の中で華麗に描かれていく。劇中劇と重なるシーンもあり、印象に残る。
否:難解なセリフのかけ合いが非常に多く、展開も極めて単調なので、観ていて眠くなりそう。
美しいアルプスの荘厳な大自然をメインの舞台に、女優達の“演技”に対する姿勢が、とても芸術的に描かれていきます。ただ逆に言うと、会話が高尚すぎて、一般人目線で観ると、話が難しすぎる印象が拭えません。思わず眠くなりそうです(笑)。
ストーリーも単調といえば単調ですが、女優達の葛藤が劇中劇の「マローヤのヘビ」の登場人物達と重なるようなシーンも多く、その悲哀を切に考えさせられます。
一応PG-12ではありますが、そこまで気になるような描写もありませんので、演劇の奥深さを実感してみたい方に、是非オススメです。
クロエの吐き捨て感!
演じることは生きること
久しぶりの映画館
最近、仕事に人間関係とストレスが溜まりまくってやばいな、なんて思ってたら映画館に行ってなかったです笑
というわけで本作、ほとんど前情報を入れずに直感的に選んだんですが、どうやら思ってたのとは全然違いました。新旧の才能あふれるアクトレスが世代交代や文化や背景の違いにジレンマを抱えつつも舞台に立つなんて感じのお話かなと思っていたんですが、実際はアクトレスを真摯に描いたヒューマンドラマです。成熟ゆえの無知で野蛮な若さへの嫉妬など、ひとつのジャンルや仕事を頑張ってきた人には考えさせられる物語でした。久しぶりの映画館に頭が少し付いて行かなかったけど充分に物語を芝居を余韻を楽しむことができました。やはり映画は映画館でと思わせてくれる素敵な映画でした。
じっくり演技派ならオススメです。
終盤の舞台は、どうなったのだろう。
おそらく、プロとしてそつなくこなしたと思うが、ストーリーが続いていれば、捉える目線とか演技っぷりなど興味深い。正直、あの舞台は、見てみたかったが。
出演者の演技、さすがに素晴らしい。
見入ってしまった。
マネージャーとの台本合わせ、本編と舞台のキャラが、妙にリンクするような所のあたり、ここが見所ではなかろうか。
いかにもというべき、大女優ならではの本音とたてまえの二面性といったらいいのか、垣間見てとれるのも面白い。
冒頭での電車のシーンで、電話のやりとりで、だいたいの役柄は判別できるが、正直、見た目で大女優役?と思ったものの、授賞会場でのドレスに変わったシーンは、さすがにキレイだったのも印象に残る。
世界で活躍する女優の華やかな表舞台と、彼女が時代に取り残されるのを恐れる裏の顔。
世界で活躍する女優の華やかな表舞台と、彼女が時代に取り残されるのを恐れる裏の顔。
ジュリエット・ビノシェが全編ノーメイクて揺れ動く感情を演じれば、クリステン・スチュワートがなだめすかしながら、自身の本心をこの大女優に浴びせて行く。この二人の確執・演技合戦が最大の魅力と言える。
自分を表舞台へと誘ってくれた恩人の死。その人の代表作であり、自分が昔に演じた当たり役。それを相手役の立場に変えて再度演じる。この最大の賭けに臨む事となった大女優。
彼女にとっての当たり役は、あくまでも若い役の方。
その相手役を演じる事は寧ろ本意では無い。しかし時代がそれを許さなくなってしまった事実。
彼女が全てを受け入れるしかなかったのは必然だった。
意を決して本読みを始めるのだが、その相手役をするのは有能な秘書のクリステン・スチュワート。
この大女優にとって今の彼女は、当時の自分を度々投影してしまう存在と言える。
そうなのだこの映画は、当時の当たり役である役こそがクリステン・スチュワートが演じている役所であり。今自分が演じようとしている役所は、その後事故死してしまった女優さんが演じた役所の多重構造で構成されているのである。
若いとゆう最大の武器によって抹殺されてしまう老いて行く事の悲哀。
これを今自分が演じても良いのだろうか?と悩み抜く。
更にこの映画の主題には【若さへの嫉妬】が大きなテーマとして内包されている。
若さを謳歌し、自由に恋愛をするスチュワート。
この戯曲には【若さへの嫉妬】と共に、二人のレズビアン的な要素も作品の台詞の中で説明されており。度々スチュワートの行動を監視するかの様なビノシェの行動には、問題となっている戯曲そのものを反映する多重構造の要素すら、見え隠れしている様にも見受けられる。何しろ彼女が居ないと、この大女優は自分自身のアイデンティティーを維持できないかの様にも描かれているほどなのだ。
彼女は若者の代表としての意見をビノシェにぶつけて来るのだが、この大女優にとって若い意見に屈する事は、それまで培って来た自分を全て否定してしまう事になるのではないか、と考えている様な気がする。
それだけに彼女の助言を素直には受け入れられない、
その昔ハリウッドの大作映画に出演した事を恥じている様なのだが、若いスチュワートにとっては、寧ろその様な題材を演じる事こそ必要なんだ!と激しく対立する。
いよいよ舞台公演が近付いて来るのだが、若き日に自分が演じた役には、今のハリウッドを代表する若さ溢れる女優クロエ・グレース・モレッツ。
彼女の発言や行動そのもの自体が、自分とは真逆な事に不安を募らせてしまい、この若い女優の行動や発言をチェックする。
世界が若い才能を欲している事は、かって自分がのし上がって来た事実からして、身に染みて感じているのが分かる。
それだけに、戯曲自体に自分の存在が薄まる要素がある内容を知るこの大女優は、彼女にある意見を薦める。しかし、この若い女優はその意見にはっきりとした意見を唱える。
それこそが、この戯曲に描かれた若い主人公そのものであり。この大女優は、もう自分の時代が去ってしまったのかも知れない…と悟るのだ。
しかし彼女はまだまだ老いに対して、世間から忘れ去られる不安感に対し、まだまだ闘志を燃やし続けてる。
この戯曲でその昔、自分が演じた役の女優さんは、自分を引き立ててくれる役でもあった。
彼女はその後直ぐに事故死してしまったのだが、この大女優はだから言ってやすやすと第一線から退く意識等無い。
だからこそ戯曲の最後と違い、最後に消え行くのは若い日に自分が演じた役を多重構造により演じていた、クリステン・スチュワートだったのだろう。
今彼女は女優魂を賭けての闘いを続けている。
その為には、それまで助言をくれていたクリステン・スチュワートの薦めに対して馬鹿にしていたハリウッドのSF大作にだって出演する覚悟すら厭わない。
“立場が変われば結果も変わる“のだ!
スイス山岳映画の巨匠アーノルド・ファンクの美しいモノクロ映像と、現在の技術力を駆使したカラー映像を対比させ。美しいアルプスの山々をうねる様に進んで行く神秘的な霧の映像を折り込みながら、女優とゆう立場と秘書としての立場。それぞれの胸の内に去来する揺れ動きを反映させ、作品の内容と同様の多重性を持たせている。
ジュリエット・ビノシェとクリステン・スチュワートの火花が飛び散る。刺激に満ちた2時間を堪能させて貰いました。
(2015年10月28月日/ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1)
中年のおかしみとかなしみ
主人公の女優はキャリアの頂点を極めている。
この人にとっては、若い人たちの間で話題となっているものは関心の外にある。それどころか、同業であるはずの若手女優に関する情報にも疎いときている。
人は、自分の歩んできた道にある程度の満足や誇りを覚えると、自分以外のことへの関心を失っていくものだ。
これは、ある意味の自己防衛であり、自分の歩んできた道を否定する価値観や能力との出会いを避けているとも言える。
自らのキャリアを新しい観点から見つめ直すことになる女優という職業の女性をジュリエット・ビノシュが演じる。スクリーン上の彼女の存在から目を離せなくなるのは、彼女を初めて観た「トリコロール 青の愛」以来である。
年を重ねると言うことは、かつて自分が嫌悪した存在に自分自身が近づいていく側面を持つ。これは不安であり、腹立たしくもあり、悲しくもある。こうした複雑な感情を、ビノシュは大げさには演じずに観客に伝えている。
そして、映画の演出も素晴らしい。冒頭の列車の中で四六時中携帯電話でどこかと連絡を取っているシークエンス。携帯電話という、時空の感覚を極小化してしまう映画の敵のようなアイテムを、ここでは逆手にとって、手短に二人の女性の置かれた状況を提示することに活用している。
「マローヤの蛇」をこの二人が見ることは結局ないことも象徴的である。あの幻想的な、東洋人ならばきっと龍と呼びたくなるような、谷を流れる雲。これを見ることがなかったばかりか、クリステン・スチュワート演じる秘書とそのリメイクされた「マローヤの蛇」公演初日を迎えることもないのだ。
新進女優のクロエ・グレース・モレッツが、ビノシュの演じる役を「観客はどうだっていいと思っている」と冷たく賢そうな表情で言い放つ瞬間は、言われた当人ばかりか観客席も凍り付いてしまう。このこともなげなに口から出た一言によって、ビノシュの腹が決まるところが残酷でユーモラスである。
久しぶりに好いフランス映画を見せてもらった。オリビエ・アサイヤス、わが愛しのマギー・チャンをフランスへ連れ去った罪はそろそろ時効にしてやるとするか。
作品の完成度は高い。けれど、、
華やかさはないけれど、凛とした美しさをもつJuliette Binoche。
彼女が好きで、この映画を観ました。
前回彼女が演じたのは戦場カメラマン。そして今回はまさに「女優」という役で期待していたのですが、、。
タイトルにも書いたとおり、作品の完成度は高いと思う。
大女優のマリア、彼女のマネージャー、ヴァレンティン、そして若き人気女優ジョアン。3人の女性がそれぞれの舞台でそれぞれの人生を演じる。なんだろう、ストーリーも、設定も決して悪くはないのに、私の心にはあまり入ってこなかった。
(確か前にもそういう風に感じた映画があって、、そう、「フレンチアルプスでおきたこと」がそうだった(→これもアルプス(苦笑))。
最初は良かったんだけど、舞台がシルス・マリアに移ってからなんとなく、、そういう感じで、最後まで「なんとなくな違和感」があった。
でもこれは個人的な感覚(感想)なので。本題でもある「シルス・マリア」は本当に美しいです!
女優って、めんどくさい
フランス映画祭@関西にて鑑賞。今回は会員800円なので先に見てきました。
終演後にティーチインという解説トークがあり、なるへそーと思うこともありました。
ジュリエットビノシュ演じる高名な女優が、出世作の再演で、昔演じた主演の役に翻弄されて自殺する中年女役をオファーされて、そんなのやりたくねーよとごねまくるが結局やることにして、でもやりたくないから秘書に当たり散らしながら役作りし、秘書に消えられつつもなんとか上演にこぎつける、という話です。
説明がないのでわからないことだらけのままですが、なんとかついていけます。
ギョーカイ人たちもゴシップに興味があって、GoogleつかってYouTubeつかって共演者の噂とか見たりするんですなぁと、ゲーノー界の舞台裏を垣間見られるところは面白かったです。
ジュリエットビノシュ演じるマリアが、めんどくさい人で、秘書に同情です。
個人秘書との演技論、映画論、女優論も興味深い感じがしましたが、字幕だけでは噛み砕けず残念でした。
個人秘書をクリステンスチュワートが、共演する若い女優をクロエグレースモレッツが演じています。豪華共演です。
フランス映画ですがほぼ英語です。
なんか難しい哲学的な比喩が含まれた脚本らしいです(ティーチインで聞く限り)が、あまりわからなかったです。
なぜか第2部とエピローグだけ表示がありました。第1部とプロローグはないんかいと思いました。
全国公開は2015年の秋だそうです。
スイスの風景も美しいです。
蛇の雲も迫力ありです。
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