「10代男子の儚い美しさを愛でる」バレエボーイズ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
10代男子の儚い美しさを愛でる
バレエもののドキュメンタリーです。行けるところで上映されたらバレエものははずさない!と決めてる私ですので、見てまいりました。
ルーカスとシーベルトとトルゲールという三人の少年の中学から高校進学あたりの年齢を切り取っています。
三人揃えばかわいい限り。ニキビにブラケットでもごつく口元、季節限定の二度と戻らない姿。ええわぁ。
ルーカスは初めまだ声変わり前っぽかったのに、15歳になる頃にはシュッとした男前で声も低くなり、15歳で180センチ!!にも背が伸び、とても萌えました。
ゆうても、トルゲールのが背は高いんだけどね、シーベルトもそう低くないからみんなよく育ってます。
シーベルトはアジア系の子でした。東南アジア系でしょうか。アメリカにおけるアジア系の子供達は親の期待を一身に背負って勉学に励んでいるらしいと聞いてますが、ノルウェーのアジア系の子供達も同じなのかもしれません。稼げる仕事についてほしいからバレエはそこそこにして勉強してほしいというお母さんの期待が前面に出ている家庭のようでした。
トルゲールはいちばん素朴な雰囲気でしたね。女子のサポートが最後まであまり安定してなくて、三人の中では1番技術的に拙い印象でした。
バレエの世界は狭き門と聞いています。
踊りの世界で身を立てると決めたら、早くから諦めないといけない道がいっぱいあって、子供らしい子供時代は過ごせません。それらを、悲しみながらも、踊る喜びにも抗えない三人の胸の内を想像しては胸を熱くしてみておりました。
シーボルトは一度バレエをやめて親の望む道を行こうとしますが、諦めきれず再開します。よく許してくれたね親がね。
三人は王立の芸術学校(高校課程と思われ)を受験し、見事合格しますが、ルーカスだけがロンドンのロイヤルバレエ学校の最終審査に招待されます。
光栄に思いながら、絶対受かる自信もないから落ちたらと思うと怖いし、学費(年間4万ユーロ!日本円で約540万!ひえー)も心配だしで、ルーカスは悩みますが、両親のサポートもありオーディションを受け、見事合格しました。
もちろんシーベルトもトルゲールも喜んでくれましたが、少しだけ疎外感を味わうルーカス。あぁ切ない!負け惜しみも含めてシーベルトかトルゲールはロイヤルの悪口言ったりもしてました。道はどうしても別れてゆきます。同じではいられないのですよね。ああ切ない!
奨学金がどうなったかが映画で出てきませんでしたが、多分出たんでしょうね。最終審査によんだくらいだもの。
ロイヤルバレエ学校でもばっちり頭角を現していたように思いましたし、入学後のインタビューは英語でした。
精悍な青年になっていました、ルーカス。
いつかロイヤルバレエの舞台で踊るルーカスが見られることを楽しみにしていますよ。
以下は愚痴です。映画とは無関係です。
またもや横に座った老女二人組に鑑賞の邪魔をされました。本当に迷惑でした。
上映中に喋りやがりましてね。止めないといつまでも喋りそうな感じで、言わずにずっとイラつくのと、ゆって気まずくなるのとを天秤にかけて後者を選び、「しずかにしてもらえませんか」といいました。
マダムたちはすぐやめてくれましたけど、こうゆうのって、言っても言わなくても結局迷惑こうむった方も後味の悪さを味わう羽目になり、全然気分が晴れないんです。
そこは自由席の映画館なので、いつも喋りそうな中高年の二人組以上の人達からは離れた席に座るようにしてるんです。でも、避けられない時もあって。
バレエボーイズのあとにボリショイバビロンも続けてみまして、その時も隣に同世代の三人組女性が座り、上映前はかなりおしゃべりが耳に入ってきて、いやな予感がしないでもなかったのですが、上映中はしずかになさってました。
おしゃべりや、ビニール袋のカサカサ音で人の興を削ぐのは、私調べでは我が母より上の世代の様子。より一層中高年を避けるようにしなければ。
一人客専用列とか作ってくれへんかなぁ…
内容に反応して泣いたり笑ったりはむしろ歓迎しますが、おしゃべりは本当にやめてほしいです。