劇場公開日 2016年2月6日

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「重厚、でもユーモアが足りない」不屈の男 アンブロークン xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0重厚、でもユーモアが足りない

2016年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

僕はアンジェリーナ・ジョリーを信じている。
彼女の戦争に対する視点は納得できるものだ。
戦争は人間性を歪んだものする。
あの日本人将校の渡辺にしても、大本営の命令に準じた行為だと
思っていたのだと思う。ちょっと極端に走りすぎてはいたが。
戦争というものは、善・悪を超える。
やるか、やらないのか。
従うか、従わないのか。
自分で考えるという自由が奪われ、二者択一になってしまうのだ。
そういう意味でアンジーが描いたものは真実に近いことだ思う。
そこにはコーエン兄弟の脚本も影響していただろう。
なによりもルイス・ザンペリーニの体験談を忠実に描いていたのだろうと思う。
だた、映画というものはすべてが真実というわけではない。
そこには監督の思いや演出が現れる。
そこで思う。
こんなにも次から次へ苦難を描くことが映画としてどうだったか?
漂流していた時も、捕虜として虐待されていた時も、少し長過ぎるのではないか。それぞれを3分の2くらいにしたらもっと締ったのではないか。それに、もうちょっとユーモアがほしいと思ってしまった。

アンジーはルイ本人にあって尊敬の念を持ったという。
だから忠実に描きたかったのだと思う。
でも、その思いが映画として饒舌になってしまった。
それでも監督2作目のアンジェリーナ・ジョリー。
これからもその鋭い視点で映画をつくってほしいと切に思う。
ワンシーン、ワンシーンの映像はとてもよかったのだから。

xtc4241