恋人たちのレビュー・感想・評価
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演出がやりすぎ
2019-002@アップリンク吉祥寺パルコ
お正月休みにすることもなく、新作の公開もまばらだったため、こんな時は新しくできた吉祥寺のアップリンクだ!ってことでラインナップからレビューの平均点が高めだったこの作品を鑑賞。
まず思ったのは共感しづらいという事。
主人公たちが魅力的では無く、さらに身近にいるような境遇の人間でもない。悪い言い方をすると可哀想な人達なのである。
役どころとしては難しい役どころなのは直ぐに分かるのだが、演じてる役者さんは今までに見たこともない一般人か?と思うような役者さんを使っていて、そこが良くないと感じてしまった。
先入観無しに観てもらいたいという意図なのだろうが逆の先入観を植え付けられて、この人たちはなんなのだろうと思ってしまった。演技もどこかわざとらしく気になる。。。
そしてこの作品、登場人物が周りから見えてないかのようにやたら独り言を喋る。
いくら喋っても届かないのがこの現代だとでも言いたいのか。
あまりにも独り言が多く、そんなに喋るかね?と思わざるをえなかったほどで、せっかくの良いシーンになるはずが台無しだ。
扱っているテーマはとても大切な事だとは思うが、魅せ方がイマイチだと思う。
もっとあっさりで良かった。時間も長い。
地味に、元気がもらえる、いい映画!
ピンボケしたストーリーが
どこまで続くんだ?
と、耐えながら、かなり後半まで。
が、
いつのまにか
あざやかに像を結ぶんです。
バラバラの3つの話は
バラバラのままで。
でも、
後でよく考えてみると
確かに、3組とも『恋人たち』
なのだと気づきます。
全部、すれ違っています。
3人の主人公は
周りから理解されず、
逆に、
周りの人々の言葉も
主人公たちに
ちゃんとは届いていない。
というか、登場人物全員の間にある
言葉たちは、全部、届いていないような。
届かない言葉たちは
受け止めた側の勝手な解釈で、
不安や怒りになる。
そればかりか、
希望にすら、なる。
そうやって
人と人はつながり
日常は続き
明日へと生きていく。
地味に、地味に、元気がわく
そんな気がしました。
しばらくは他の邦画を見なくていい程の満足度
・妻を通り魔に刺殺され、裁判費を稼ぎながらも窮屈な思いを抱える男、生活に疲れた夢見る主婦、親友に秘めた想いを寄せる完璧弁護士
・劇的ビフォーアフターに出てきそうな手狭な一軒家
・コンドームの自販機へ小走りの主婦
・マスクしてる役所の人(山中崇)のいや~な感じがよくでてる演技
・キャラクターがにじみ出る人間のおかしさが沢山ちりばめてるので、状況は悲劇でも笑ってしまう
・光石研はスゲー役者だなあ
・主婦が鏡を見てから綺麗に身支度して家を出るシーンで涙
・職場の上司(黒田大輔)の優しさに包まれた接し方に涙「殺したらダメだよ、こうしてお話しできなくなっちゃうよぉ」
・「世の中には、良い馬鹿と悪い馬鹿とタチの悪い馬鹿がいる」
・ラストは篤が高架下の河川を船で進みながら、「右よし左よし(上を見上げ)よし」と建物の隙間から覗く青空を見上げて幕、主題歌が優しく響く
・人生で一番あっという間の146分
もっと広がれ
久々にいい映画を見た。 3つの日常が交差する。妻を通り魔に殺された...
本当の恋人
前半は監督の怒りが込められた作品なのかな?と思ったけど、後半はそうじゃなく普通の営みから立ち直り前を向く人間の力強さが描きたかったのでは?と感じた。
突然命を奪われ、被害者家族には誰も手を差し伸べてくれず、奪われて行くばかりのどん詰まり。
主婦も毎日同じ代わり映えのない生活が続き、誰にも相手にされず逃避行決めれば相手は…のこれまたどん詰まり。
生きてくのは辛いなと感じたけど、そのどん詰まりの生活の中に立ち直り、前を向ける会話や出来事があるんだと、きっかけは他人かもしれないけど自分自身でそれに気付くしかないと人間の力強さを感じたラストだった。
とにかくリアルな演出は派手さはないけど人間の魅力に溢れた作りになっていたと思う。
こういう人いるよ!と言うキャラクターばかりだった。
「腹いっぱい食べて笑うのが良いよ」と言う台詞にグッと来た。
クソみたいな全ての中にも…
孤高の映画作家、橋口亮輔。
「渚のシンドバッド」「ハッシュ!」「ぐるりのこと。」…手掛けた作品は万人受けするほど取っ付き易いものでは決して無いが、いずれも深い印象を残す。
7年振りとなる本作も、キネ旬1位他2015年の国内映画賞を席巻。
通り魔殺人で妻を殺された男、アツシ。
裁判を起こしたいが難航、日陰のような仕事、金もナシ、不条理な社会に苛立ちと不満だけが募る。(上から目線の病院や役所にはマジでムカついた)
夫と姑から全く相手にされない主婦、瞳子。雅子様大好き。
ある時出会った業者の男と不倫、今の自分から逃げ出したい生々しい中年女の性。
同性愛者のエリート弁護士、四ノ宮。
妻子持ちの同級生に長年想いを寄せているが相手に届かず、ある時子供にイタズラしたと誤解され…。
3つのエピソードに接点はほとんど無いが、状況の違う3人を通して、この生き難い苦しい社会の姿を抉り取る。
監督の橋口亮輔は同性愛者であり、鬱を患った事もあると聞く。
これまでの作品や本作で描かれてきた鬱憤は、監督本人の声だ。
今回その代弁を努めたのは、主人公であるアツシ。
中盤、アツシが犯人に憎しみと怒りをぶちまけるシーンがあり、その際の台詞はかなり過激だ。
「人殺せる法律出来ないッスかね」
「殺したい奴を殺せる戦国時代ホント良かった」
「殺してもいい奴は確実に居る」
「犯人を殺したい」
設定上は妻を殺された夫の台詞だが、実際は監督のこの世の中への全ての憤りに感じた。(「オリンピックなんてどうでもいい、このクソみたいな国でそんなのやって何になる」の台詞には非常に共感)
アツシが嗚咽・号泣しながら亡き妻への思いを語るシーンには目頭が熱くなった。
誰かにすがりたい、誰かに愛されたい、誰かを愛したい孤独…。
アツシの職場にニコニコ穏やか顔のちょっとオツムが弱そうな先輩が居る。
この人がアツシに掛けた台詞にスゲェジ~ンとさせられた。
このクソみたいな社会、クソみたいな人生、クソみたいな全て…そんな中でも、まだ捨てたもんじゃない温もり、微かな希望。
橋口監督の眼差しは本当は温かい。
名のある役者は脇に回し、メインの登場人物は素人で固めたキャスティングの妙。
悲しみと苛立ちを体現したアツシ役の篠原篤の佇まいが見事。
感情移入出来ない
明日も生きる。
何て生き辛い世の中だろうと最近思うことが増えたが、
今作に登場する三人の主人公達にもそれが垣間見える。
普段は他人の問題には無関心なくせに、一たび話題が
注目されると一人に向かって一斉攻撃を浴びせる社会。
各々の価値観が大事といって他人の価値観は認めない。
自分と違う人間はもはや人間だと思ってないかのよう。
狭い日本の狭い社会の小波の中で理不尽な攻撃に合い
居場所を失っていく人々を掬いあげて構成された物語。
通り魔に妻を殺された夫、家に自分の居場所がない妻、
ゲイを理由に親友から距離を置かれる弁護士、と悲劇
と苦労に苛まれた三人の中で夫の苦悩が中心となるが、
理不尽な妻の死から何年も彼の時間は進んでいかない。
大切なものを失った人間にまで社会は甘くない仕打ち
を齎すが、彼を救おうと助言する上司も登場し自身の
身に起きた不遇を優しく語り諭す。生きてさえいれば
またそのうちいいこともある、と誰もが共感を覚える
場面でも本人にとっては死にたくてたまらないそんな
状況があることを彼が風呂場で泣きながら自殺を図り
失敗嗚咽するシーンが訴えてくるから胸が張り裂ける。
他人にはいえない悩みや秘密を抱えながらやり過ごす
人生はいかに多いか。しばしの現実逃避も少なからず
あっておかしくはない状況がリアルに訴えかけてくる。
これが無名の俳優陣というのも凄いが、だからこその
表現力がそこにあり、かなぐり捨てるのってこういう
ことかと納得のいく演技。長編だがまったく飽きない。
古典的な設定と大味な演技に...
予告編に興味がそそられたし、
レビューが高評価なので、
大好きなテアトル新宿へ。
映画では社会に絶望的な
3人が描かれていますが、
特にメインの主人公アツシを、
妙に俯瞰で観てしまいました。
通り魔殺人に妻を殺された男という、
映画では古典的な設定だからかなぁ。
そんな題材を敢えてリアルに振り切った、
監督と役者の意気込みは分かるけど、
すでに絶望がお膳立てられていて
リアルに感じないのです。
他の下層主婦やゲイ弁護士の設定も、
なんかおざなりな感じ。
そして何より、落ちきれていない。
物語でこの程度じゃ、魂は揺さぶられませんでした。
「それでも人は、生きていく」という
コピー自体が、ピンとこない。
日本の社会はやりきれなくて、
人々は折り合いを付けて生きている。
全てをぶち壊すこともできるけど、
秩序の中でぐっと抑えている。
希薄な人間関係の中で、
境遇を変えてくれる救いなんて何も起きない。
けどそんな絶望を感じたいなら、
僕はドキュメンタリーの方がよっぽど泣ける。
3人の、聞き手が不在の
「一人語り」の独白演出も、
物語で感動させようという作為が見えました。
このようなタブー演出や
無駄な印象づけシーン(乳もみや排尿)や長回しなど、
そんな演出の珍しさが高評価に繋がるのかな。
残念ながら僕にはよく分かりませんでした。
演じているのは、
ワークショップで発掘された新人さんのよう。
主人公のアツシさんは体当たりだったけど、
どの演技も感情をぶつけるだけの大味さ。
行間や心のヒダを演じる
プロとの差を感じてしまいました。
せめて3人の関わりの妙にも期待しましたが、
ほぼ無意味な浅さでしたね。
そしてラストの青空には、
さすがに希望へとツジツマを合わせてきて、
白けてしまいました。
けどアツシの先輩役の黒田大輔 さんは、
すごい存在感でしたね。
彼の台詞はかなり響きました。
話を聞いてあげるという当たり前の行為が、
とても大切だと気づかせてもらえます。
唯一の収穫でした。
映画のリアルって難しいですね。
やっぱり嘘になっちゃうんなら、
僕はいっそ夢や希望をもらいたいのかな。
まぁマイノリティの意見ですから、
気にしないでください。
すごい映画でした
今更ながら見てきました。
印象深い場面は多々ありますが、アツシの上司が、説教とか有効なアドバイスとかするのではなくただ一緒に弁当を食べながら「殺しちゃだめだよ。。こうやって話できなくなるじゃない。」と語りかけるところでグッときました。
エンドロールではコンクリートに囲まれた河を進む検査船から見た映像が流れます。水面すれすれの位置から、地上の建物や空が映し出されます。この映画も、高いところから希望を説くのではなく、絶望に寄り添うような、そんな話なのかなと思います。
初めて行ったギンレイホール。
すごくいい雰囲気の映画館で良かった。平日午前中なのに客がたくさん。二本立てでもう一本はあん。センス良すぎ。引退後はこーゆーところに通いつめたい。
ずっと見たかった映画。キネ旬が好きそうな感じ。主に3人の人生模様。クソみたいな人生でも、バカでも、少しの光がある。愛がある。弁護士はちょっと救われなくてかわいそうだったかなー。そこらへんにあるような、何でもない風景や心情が、リアルだった。この題名が恋人たち というところにセンスを感じる。
全102件中、21~40件目を表示