「人生の5年ごとに観返したい一本。」恋人たち 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の5年ごとに観返したい一本。
監督舞台挨拶ありでの鑑賞。
まさに「普通の人々の物語」の一本。
観ていて痛い、苦しい、息が詰まる。
それは主人公三組が決して突飛な人間ではないから。
誰もが抱える「日常の当たり前」と化したルーチンワークの中の行き詰まり。
そこ破ろうと少し足を踏み出す、そんな人たちの話。
三者三様、いろいろな痛み。
でもこれは特別なものでなく、日々生きていれば誰もの中にあるものだと自分は思う。
「自分は特別ではなく、また他人も特別である。」
禅問答のようだが、そんなことを感じた。
劇中に「救い」は用意されているのだが。
それを噛み砕いて観られるほど、個人的に抱える問題はまだ溶けるのに時間がかかるんだなと感じた作品。
「たった一人でいいんだよ」という監督の言葉と。
劇中、携帯のメモリを見ながら主人公がつぶやく
「昔友達だったあなたたちは、いまもともだちですか?」
その一言が忘れられない。
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