「ドラマチックじゃない人間の複雑さ」恋人たち ほにゃららさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマチックじゃない人間の複雑さ
登場人物(特に妻を亡くした男)の置かれた状況がつら過ぎて、始まるとすぐに、早く終わってくれ〜と思いながら観る。
分かりやすい盛り上がりはほとんどないが、役者たちの恐ろしくリアルな演技に引き込まれて、イヤな気持ちとはウラハラに目が離せなかなった。
今にも感情が爆発しそうなエピソードが積み重なるから、最後にとんでもないことが起きるのでは?という緊張感が続くが、たまにどうしようもない人間のバカバカしい振る舞いにクスリとくる場面もあり、とことん暗くならないバランスが良かったのかも知れない。
これまでの自分とはあまりにも境遇の違う人達の話なので、共感ではなく、いつか自分やその周りに来るかもしれないその時を想像しつつ、そんな中でもなんとかやっていけるのかも知れない、人間ってそんなに単純で弱いもんじゃない、なんてことを思った。
感情的で分かりやすくカタルシスを感じさせる映画が基本的には好きだが、たまにはこういう映画も良い。
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