「奇才アリ・フォルマン」コングレス未来学会議 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
奇才アリ・フォルマン
題名は着想を得た原作名からの引用で映画自体は会議ものではありません。
ロビン・ライトが自身の役名で落ち目のハリウッド女優を演じていますが実際の私生活を批判しているような老マネージャーの暴言にドキュメントか?と思ってしまいます。人物紹介が終わったあとハリウッドの映画作りの風刺へと矛先が変ります。唐突におとぎ話のようなアニメーションの世界にトリップしてからはアニメーションで往年のスターを描きこんだり遊び心満載です、しかし油断禁物、映画会社の社名には和名が加わり社長は和服、顔はビルゲイツ、演説様式はヒットラー、監督の日頃の疑念やホロコーストへの怨念が垣間見えます。考えすぎでしょうがアニメ手法採用も巨大化したディズニープロへの物言いかとも勘ぐりたくなります。
未来では映画産業は終焉しドラッグによる仮想現実という流れですが描かれる現実自体が仮想なのかリアルなのか混沌として早く実写に戻してと祈りたくなります。
戻ってからがまたすごい、未来社会の側面は貧民窟並みの退廃さ、いきなり死生観を問うようなシリアスなテーマに様変わり。
脳がやられるのではないと怖くなるほどの奇抜なプロットと卓越した表現力に脱帽です。
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