「とてもリアルな未来像」コングレス未来学会議 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
とてもリアルな未来像
この映画の提示する未来像は、破滅的であるがかなりの部分が現実のものとなるのではと思わせる。そしてそれが思いの外心地よいものになるかもしれない。
旬を過ぎた女優が、全身のデジタルデータを提供し、CGで完全再現が可能な技術がある。一度スキャンすればあとは女優自身は必要ない。スキャンデータとして映画の中で永遠に再生産可能。そして人は思い思いのアバターになって暮らせる社会が到来する。まるでバーチャルYouTuberのようだ。
人は生まれ持った外見を捨てられない。整形などの手段はもちろんあるが、この映画が描くのはその延長線上のものだ。そしてそれは現実に起こりつつある。それは悪いことばかりとも言えない。VRの世界で自分の心の性別に簡単になれる。トランスジェンダーの人々の間でこうした技術は期待されている。一方で映画が描くように退廃的な世界を生むかもしれない。
コメントする