「伝える力、受け取る力」ザ・トライブ Hiroki Abeさんの映画レビュー(感想・評価)
伝える力、受け取る力
まずは他の方も触れている通り、字幕や吹き替えなど一切なしの全編手話で構成された物語です。主軸をティーンエイジャーの刹那的な愛と憎悪に主題を置きながらも、ワンカット長回しや非常に乾いた暴力描写は息を飲むほどに圧倒されます。
今作を見て一番に感じたことはタイトルにした、伝える力、受け取る力ということ、本作の登場人物は伝えることを全くと言っていいほど信用していない。これでもかというくらい激しく伝えたいことを伝えたい相手に向ける。受け取る側も手話で伝える言葉なんざ全く信用せずに何度も何度も聞き返す。まるでその相手を切り刻むように手話を駆使して相手に思いを伝えていきます。
私たちが普段使用する最も基本的なコミニュケーションツール「言語」私たちはいつの間にか言語に頼りきりになってないだろうか?伝える力、受け取る力を言語に任せてしまってないだろうか?そんなことを考えさせられる作品でした。今年は映画の当たり年ですね。
追記 エリックゾンカの「S」を思い出しました。
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