「嫌な気持ちをした人ほど御褒美が大きい」ザ・トライブ 輝房さんの映画レビュー(感想・評価)
嫌な気持ちをした人ほど御褒美が大きい
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見てすぐに『わらの犬』を連想。冒頭から手話というコミュニケーション手段がいかに我が強いものか思い知らされる。ほぼほぼ全編嫌な気持ちにさせられるが、それらを我慢して抑圧された不満をぶちまけるラストの爽快感を迎えエクスタシーそのものを感じる。
不思議と箪笥で頭がペチャンコになっても観客としては何の罪悪感もなかった。
個人的にはハッピーエンドであり、監督が敬愛するというラース・フォン・トリアーの作品のようにプツ切れでおわるのでなくしっかりと話を終わらせている点も素晴らしい。
あとは、たくましい後ろ姿をカメラで追うという撮影手法は心を高ぶらせると再認識。鈍器を手に持つと更に良し!
それに縦移動と横移動のカメラワークをこうも反復すると中々癖になる心地よさがあり。
バイオレンスはギャスパー・ノエとか韓国映画とかレフンとか割りと90年代以降の映画の影響が感じられ、変にシネフィルっぽくなく好きなものをやりたいという願望を体現しているようで非常に好感が持てた。この作品以上のものを作るのは結構難しいと思うが、次回作にはもっと期待したい。
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