「恋物語は幼稚だけどそのほかが面白い。」PK だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
恋物語は幼稚だけどそのほかが面白い。
京都みなみ会館にてアンコール上映があり、やっと見られました。
そうですね、面白いです。
「きっと、うまくいく」と、どっちがおもしろかったかはわかりません。あれを見た頃よりもインド映画をいくつか見ているので、インド的なアクに慣れているせいもありますし。「PK」のが私は覚醒して見てたかなあとは思います。見所が多くて。
PKのジャグーへの恋から、身を引く流れはあまり沁みませんでした。なんかいきなり取って付けたように惚れたなとか思いました。
鼻すする音があちこちでしてたので、泣いてる人が結構いました。でも私は、ジャグーのために身を引き、サルファラーズとの再会をお膳立てして、優しい嘘で想いは伝えず星に帰ったPKにひとしずくも感動しませんでした。恋愛ものとしては子供っぽく思いました。
サルファラーズとの留学時代のイチャイチャは予定調和すぎと思いつつも良かったです。
よかったのは、宗教への皮肉を含んだ疑問をたくさん提示したことです。思考実験がたくさん繰り広げられていてすっごく興味深かったです。
そしてそれがインド発だというところです。
宗教文化がめっちゃくちゃ入り組んでいて複雑な国で、信仰に別の方向から光を当てた、ということに感動しました。信じる神様が違うことが人殺しのタネになるのはおかしいです、本当に。
PKは創造主はいる派みたいですね。私は創造主さえも人が作ったものちゃうかな派です。確信がないから積極的には言えないけど無神論者かもしれません。でも信心深くて素敵な人たちも知っているし、宗教を否定するつもりはありません。ただ、人が幸せを願って作ったものなのに、人の幸せを阻害するのはおかしいと思うのです。
各宗教の衣装や文化も興味深く見ました。
インドのイスラム教の女性は真っ黒衣装なんだなとか、
白いサリーは未亡人の格好(ヒンズー教?)なんだとか、
シク教以外の人もターバンすんねや、などなど。
あと、ジャグーがいい部屋に住んでるなぁとか(単にうやらましい)、留学先のベルギー・リエージュになんであんなにインド系の人が多いねんとか思いました。
そして、ジャグーめちゃかわいいな、サルファラーズめちゃかっこいいな、PKのギョロ目は見てるこっちも目が乾くな、とか思いました。
ダンシング&シンギングも程よくて良かったです。