「【小説家の父は娘のために物語を遺した・・。】」パパが遺した物語 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【小説家の父は娘のために物語を遺した・・。】
1989年パートと現代パートの二部構成で物語は描かれる。
1989年パート:すこし辛い
小説家のジェイク・デイヴィス(ラッセル・クロウ)は妻と”ポテト・チップス”という愛称の7歳の一人娘ケイティとささやかなではあるが、幸せな生活を送っていた。
が、ある日、ジェイクが運転していた車が事故を起こし、妻は亡くなってしまう。ジェイクも重傷で長期入院。ケイティは妻の姉のエリザベス(ダイアン・クルーガー)に預けられる。
半年後、漸く退院したジェイクにケイティは”ずっと一緒だよね”と不安そうに尋ねる。
何故なら、裕福なエリザベス夫妻はケイティを養女にしたかったから。(幼子は敏感である)
ジェイクはエリザベス達の申し出を断り、二人で幸せに暮らし始めるが、ジェイクの病状は回復してはいなかった。
新作も売れず、窮地に陥るジェイク。エリザベス夫妻は養育権を巡り、訴訟を起こす・・・。
時は過ぎ、大学院で心理学を学ぶケイティ(アマンダ・セイフライド)は過去の出来事から”人を愛することができなくなっていた”が、ある日、ジェイクの小説のファンだというキャメロン(アーロン・ポール)に声を掛けられる・・。
戸惑う彼女の前にソーシャル・ワーカーの仕事で出会った、母親を失ったことで一年間も口を開かないルーシー(クヮヴェンジャネ・ウォレス:ANNIEでゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネート)が現れる。
ケイティは父、ジェイクが遺した小説に目を通すことに・・。
少女時代を演じたカイリー・ロジャーズの愛らしさも相まって、常に涙腺が緩んでしまった作品。
敢えて言えば、もう少し、過去、原題パートとも登場人物たちの想い(例えば、エリザベス夫妻が何故養育権に拘り、訴訟まで起こしたのかなど)まで、きっちりと描いてくれれば更に感慨深い作品になったのになあと思った作品。
<家族をテーマにした作品の名手”ガブリエレ・ムッチーノ監督の佳品。出演俳優も豪華である>
<2015年10月3日 劇場にて鑑賞>