母と暮せばのレビュー・感想・評価
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泣けました(;o;)
二宮君の演技力では物足りないくらいの吉永小百合さんの表現力は流石!
悲しい話かと思ったら凄く前向きなストーリーは山田洋次監督も見事。
私のイチオシシーン。最後の最後に泣かせてくれました。
別れ(死)は悲しいものだと思わせながらも、それが『人生』と思わせてくれる。
加藤健一さんの泣き崩れるシーンで号泣しましたm(。≧Д≦。)m
終わった後、涙を拭いてトイレに行ったら周りの人も小便しながら鼻水ズルズルいわせてました(笑)
ファンタジーってネバーエンディングストーリーみたいな映画だけじゃなく、こういうのが日本のファンタジーだって思える作品でした。
旦那さんと長男は…?
素晴らしかったのは原爆が落ちたシーン。
あんなふうに、本当に突然、あっという間もなかったのだと…
ただ、全体的に誰に感情移入すべきなのかはっきりせず、なんとなく消化不良な感じでした。
前半は愛する人を失った人、愛する人を残して死んでしまった人の悲しみや葛藤がよく表現されていて、涙が出ました。
けれど後半は、展開が早いというか心変わりが唐突というか…
町子が浩二への想いと現実と新しい恋とで揺れ悩む姿を見せてくれていたらよかったのに、と思います。
っていうか、母親のもとに現れることができるのに、なぜ町子のところに行かないのか。自分で本人に言えよ!ママを頼るなよマザコン!!
そして、せめて最期は、旦那さんと長男も待っていて、家族全員やっと一緒にいられるようになったね的な演出にできなかったものでしょうかね。
なにゆえ次男だけなのか…
過度な母子の愛情が狂気的に見えてしまうラストでした。
母子で抱き合ってバージンロードとか気持ち悪いよ!
あと、最初からなんとなーく違和感があるのは、
70代の吉永さんが母親役だから?
吉永さんと二宮さんの年齢差が親子くらいであっても、学生の母親が70代ってことはないですもんね…
吉永さゆりさんはお綺麗でしたけど、実年齢からあまりにもかけ離れた配役は老いを際立たせて、ちょっとかわいそうな気がしました。
クリスチャンの至高の幸福〜和製フランダースの犬〜
吉永小百合可愛かった。
ラストに批判的な人は多いと思う。死が救いというのはあまりにも悲惨ではと。
キリスト教においては神の御元に召されることが何よりの幸福。フランダースの犬なんかがそうだ。辛い毎日に耐えたネロの唯一の楽しみである特技の絵でも、ズルされて負けてしまい、最後は雪の降る中、犬とふたりぼっち寒さで死んでしまう。どこに救いがあるのか?と子供ながらに思ったものだ。可哀想でストーリー自体好きでなかった。
しかし違ったのだ。フランダースの犬のラストは、最後のシーンに必ず可愛らしい天使たちが登場する。この世の救い、絶対の愛である、神の使いが空からお迎えに来るのだ。
小学生の頃は何も感がえずに学級文庫にあったフランダースの犬の絵本を開く度、その裸の天使を友人とニヤニヤしながら見ていたものだが……
とにかくあの雪の中のラストは救いのエンドなのである。日本人には、ましてフランダースの犬を初めて読む多くの子供たちには、分かりにいだろう。
閑話休題、こちらの映画のラスト付近、ストーリーはいいのだが演出がいただけない。具体的に言えば母の亡くなるシーンから。どうしてしまったのだろうか?あまりの稚拙さ・チープさに驚いた観客も多かろう。
唯一ラスト付近で心に残って離れないのは、息子が母親に死を宣告したシーン、母親が驚いた後、涙ながらに
「じゃあ、もうこれからは未来永劫、(息子)と一緒にいられるの?
嬉しい、私嬉しい。」
と拳を握り締め声を震わせた吉永小百合の演技。
その前のもう自分は一人ぼっちなんだから、これからは会えなくなるなんて言わないでくれ、お願い、と懇願するところから含め、なんといじらしく憐れなんだろうと、悲しくなってしまった。思い出すだけで涙を禁じ得ない。
そして良かったねと心から思った。
戦争を経験した人間の心を、本当の意味で救済し、幸せにする方法は、もしかしたらたった一つしかないのかもしれない。
それはとても悲しいけど。
戦争が一人一人の人間の心に残すものはあまりにも大きく重く、それなのに消え失せることは永遠にないのだ。その暗く重い心を自分一人で永遠に背負い続けて毎日呼吸を続けなければならない。その先の人生、どんなに楽しいこと、幸せなことがあったとしても、その重みを捨て去ることは永遠にできないだろう。
それこそ、死をもってして以外には。
あ、あと 告別式の執り行われる教会のラストシーン、花嫁と父親が別れに向かい歩くバージンロードを、二人は永劫の世界へ寄り添って逆行してゆくという暗喩…少しやり過ぎだったな。やっぱりラスト付近は演出がちょっとおかしい。
感動がジワジワと…何度も観たい
私の叔母さんは、長崎の原爆で、学生で動員されていた兵器工場の小学校で、一瞬にして亡くなったそうです。
そして、今は亡き私の母は、焼け野原を探し回った経験がトラウマになって、50年経っても毎夏、夜中に悪夢でうなされていました。
生きていたら、一緒に観に行ったであろうと思い、被爆二世の私一人で観に行ってきました。
山田洋次監督が、井上ひさしさんの戯曲「父と暮らせば」の長崎版」母と暮らせば」の構想を引き継ぎ、描かれた被爆の瞬間の描写は、小さな子どもが観ても大丈夫に配慮されたのか、グロテスクではないもので、素晴らしかったです。
一瞬で亡くなってしまった二宮和也さん演じる医学生の視点からのCGは、
原爆のグロテスクな恐ろしい部分をいっさい排除した上で、人間が作り出した核というものがどれだけの熱と熱風と恐ろしい戦争兵器たのかということをみごとに表現されています。
広島で壊滅的だったのに加えて、もう投下の必要はないと思われていたにも関わらず、違うタイプの核を実験として使用された場面、一般市民の被害者の立場で立ち会った感じさえ感じました。
戦争と平和について、
一瞬亡くなることについて、これは、東日本大震災、交通死亡事故、
当事者、遺族の葛藤、
母の気持ち、
息子、娘の気持ち、
戦争に翻弄される人々の細やかなこころのひだまで
本当に良く描かれています。役者さんたちの演技も、皆さん素晴らかったです。
今の日本人が忘れかけている人間の心の繊細さ、優しさ、無償の愛について考えさせられました。
観終わって、ジワジワと感動が私の中に拡がり、何度も観たいと思いました。
良さが不明。
以下の理由につき、1点
良くなかった点
(1)マザコンすぎだろ。
(2)長男と次男の扱いの違いは何?
(3)二ノ宮君がちょっとしゃべりすぎキャラで気持ち悪い。
(4)吉永さゆりが、上品さに欠けていた。
(5)お父さん亡くした女の子だけ、なぜ長崎弁じゃないのか
よかった点は原爆の落ちたシーンは、如何に一瞬だったかということを改めて感じたことのみ。
以上
(^^)思ったより良かった♪ 80点
●映画『父と暮らせば』とくらべながら観るのが楽しかった♪
母が.町子のかわりに息子が生き残れば良かったと本音をもらすトコロ 良きでした。
本音を言うことで心に開放感があったのではないか?と思った。
古典
最早、作中の人々が同じ日本人には思えない…。
それだけ、今の日本は発展した。
そして、人の質や幸せの感じ方も変わってしまったんだと思う。
僕らの世代はその変換期を生きてきた。
母や父、祖母が大事にして生き方も知っている。そして、その生き方だけじゃ生きにくいって事も分かってる。
観ながらに思うのは、違和感だった。
時代劇でもない。
現代劇でもない。
外国の映画でもない。
だから「古典」なのかと感じた。
最早、歴史の中でしか語られない日本が、そこに在ったような気がした。
澱みのない台詞の応酬。語尾をわざと伸ばす事もない。
細かな心情表現。
二宮君はそんな表現をしない役者さんだったから、おそらくは監督の要求なのではないだろうか?
どこかで見た事あるけど、実際には見た事のない日本人的な仕草、動作。
昔からある風習に則って、創った映画のように見えた。
山田洋次クオリティがあるなら、そうなのかもしれない。
次作の「家族はつらいよ」は大いに楽しみだ。感じた古典感を払拭してくれそうだから。
オフクロに電話したくなった。
そんな映画でした…。
安定の演技だけど共感できなかった
吉永、二宮両名の安定した芝居は安心してみていられるものの、安定しすぎて人間味が欠けた印象。育ちの違いなのか、始終丁寧な対話を続ける親子の会話に現実味を失った。また、その調子で最後までベッタリな親子関係に親近感は湧かなかった。
彼女の為を思うこと、そして親子で一緒に居たいことが一致した結果のラストシーンなのだろうけど、母も心機一転して幸せになってほしい気持ちが多少でも滲んでいれば理解できる。
迷いなく母を道づれにした共依存親子の気味の悪さに愛情の共感は出来なかった。凝りすぎたというか盛りすぎた演出。
父と暮せば、の芝居を見たことがあるが、それとは感情移入の意欲がだいぶ違った。
ラスト以外は
全体的に悪くはなかったですがラストで全てが台無しになりました。あの合唱団がうじゃうじゃいて気持ち悪く、そのうえ振り付けも気持ち悪さを増してました。もっと違うラストがあったような気がします。
二宮氏の演技力に脱帽。父と暮せばファンなら一度は
井上ひさし氏の父と暮せばの舞台を見たことがあり、原作も知っているので大変興味を持ち、リアルな戦争を生き抜いた祖母たちを連れて見てきました
吉永小百合さんが出ているので間違いないとは思いましたが、不安だったのは二宮和也氏
アイドルでしょう?演技はどうなのだろう…と半分恐恐と見に行きましたら、全く問題でなかった
まずはストーリーに触れます
父と暮せばでは原爆により死んだお父さんと遺された娘、でしたが今作品では逆
原爆により死んだのは息子で、遺されたのはお母さん
冒頭の原子爆弾が落とされたシーンは監督も力を入れたところらしく、インク瓶が一瞬で溶け、凄まじい爆音と共に映像が乱れたところは思わず息を飲みました
隣で見ていた祖母はそれ以前のシーンの静けさからいきなり訪れた爆音により驚いて悲鳴を上げたくらいです
それ以前のシーンは白黒で、いわゆる過去の回想
そこからは色が付き、今現在のストーリーが始まります
原爆投下から3年後の夏、復興が始まったあたりからスタートした物語
息子を亡くした母と、息子の婚約者だった娘は支え合い生きてきましたが、娘の幸せを願い、そして未来へ歩まなければならないという遺された者の役目のために母は娘へもうあの子のことは忘れなさいと助言します
そのうちに幽霊となって母の元へ現れた息子
息子は今でも娘を愛していますが自分はもう死んだ身
葛藤しましたがついに娘の幸せを願い身を引きます
息子と母のわずかな心の邂逅は冬まで続きましたが、娘が職場の同僚との婚約を決め母に報告したその日の夜
大晦日の夜に母は息子に手を引かれ旅立ちます
ざっとあらすじはこんな感じです
簡単に終わり方を言うなら、典型的メリーバッドエンド
母は愛する息子ともう離れることはないと喜びに涙しますが、それは母の死を意味します
母を愛して戦後の混乱の中でなんとか物資を闇市から捌いてくれていた上海のおじさんや、隣のおばさん、息子の婚約者だった娘など、遺された者もたくさんいますが、それでも母は幸せそうに微笑み、息子と手を繋いであの世の門を開きます
エンドロールが流れると同時に、当然のように私は涙していました
祖母も泣いていました
思わず拍手しそうになる程、久しぶりに感動した…!と感じた映画でした
まず、私は戦争を知りません
戦後の時代なんてテレビでしか見たことがないような世代です
それでも、素直に心に落ちてきた
リアルにその時代を生き抜いた祖母はあぁ、昔を思い出した、懐かしいとしきりに言っていましたので、おそらく背景は当時の日本そのものなのでしょう
その上で、話の大部分は戦争ではなく日常劇なんです
これは父と暮せばでもそうでしたが、日常の会話、なにげない暮らしの日々が主なんです
だからこそ昭和を知らない私でもすんなり理解できたのでしょう
日常劇というのは見ている方は楽ですが、構成する側は非常に難しいというのは身を持って経験しています
日常会話なんて、普通に話してるだけなんだから本来おもしろくもなんともありません
それを見る者を引き込ませる魅力を持って演じなければならない
そのためには練られた台詞、完璧なカメラワーク、そしてキャストの演技力が試されます
そこで、心配していた二宮氏の演技です
まずそもそもこの舞台は長崎で、台詞は全編長崎弁
ただでさえ難しい日常劇が、その上長崎の方言、訛りの台詞
それでも二宮氏は完璧に演じきりました
志半ばに命を奪われた青年の、精神的未熟さ、悲哀、苦悩、最愛の母と会える喜び
所詮アイドルだと思っていましたが、この映画を見て彼へ対する評価が変わりました
本当に上手かった
私は子を持ったことはありませんが、それでもお母さんへ感情移入してしまい、二宮氏演じる息子が愛おしいとさえ思いました
ラストにあなたはもうこちら側の人だと、一節だけ標準語で言う、母をあの世へ連れていくシーンがありますが、その時にはもう感情が爆発しそうでした
母が可哀想で可哀想で、それでもあの子と共にいられると泣いて喜ぶ姿が非道く納得して、幸せそうに手を取り合う母と息子
もう滂沱の涙を流してのめり込みました
やはりお二人の迫真の演技があってこそ、心から入り込めたのだと思います
吉永さんの演技力については言うまでもありませんね
個人的な意見ですが、あんなに美しいおばあさんは日本で彼女ぐらいではないでしょうか
結論として、父と暮せばを知っている人はぜひご覧になってはいかがでしょうか
山田洋次監督が井上ひさし氏の意思を継いで続けた原爆三部作の二作目である今作
父と暮せばを踏襲した日常劇
原作同様、一見穏やかで、でも確実に寂しさが去来する、胸が詰まる作品です
私が感動屋だというのも要因としてあると思いますが、それでもやはり素直に心を打つものがあります
所詮アイドルの副業、話題作りの配役、と思っている方は、一度固定観念を捨てて見てみてください
息子の若さ故の未熟さ、幼さ、拙さが見事に二宮氏により描き出され、よりすんなりと受け入れられるでしょう
ただ一つだけ複雑だったのは、地震や津波なら天災だが戦争はそうではない、という台詞です
東日本大震災で被災した私は、少しなんとも言えない気持ちになりました
最も、そのどちらも経験した祖母が絶賛した内容ですから、許容範囲かもしれませんが
まあまあ
山田洋次らしく、浮き沈みのない、安定感のあるものだった。変わり身早すぎる黒木華にも少しビビったけど、なんであの子だけ幸せにならなきゃいけないの?!の本音の部分はリアルでよかった。浅野忠信の良さをもう少し入れて欲しかったなぁ‥
町子で泣き。割とよかったです。
山田洋二作品で、とても好きという作品はなく、そんなにたくさん知ってるわけでもありませんが、どうにも古いと思ってしまいます。
が、井上ひさし原案という点と、黒木華が出る点に惹かれ、観てきました。
この作品では古さではなく、描かれる時代のらしさと思え、好ましく感ぜられました。
勝手なものですね。
作中で黒木華がでてくると、なんだか胸いっぱいになって、思いのほか泣いてしまったりもしました。回想でのニノとの初々しい、いちゃいちゃがあんまりかわいらしいもんだから、ニノがいなくなった世界でけなげに生きる町子がいたいけで切なくて、うるうるでした。
あと、メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトが思い出の曲として何度も出てきました。大好きなので、うれしかったです。
町子は、生き残ったことに罪悪感を感じていて、だから自分の幸せなんて到底考えられないようでした。そんなこと思わなくていいんだよ、生きていることをありがたいと思って、ただ自分が幸せになったらそれでいいんだよと、客席からずっと思っていました。
母と息子の会話シーンは、ややだれる感じがありました。冗長なんです。飽きました。
また、母さん母さんうるせーよとも。そんなに母ちゃんが好きかよと思いましたが、あの息子は幽霊ではなく、母が作った幻想なのかなとおもい、そう思うと母ちゃん母ちゃんなのもわからなくもないかなあと。
でも母ちゃんのいない場面で、浩二だけが蓄音機のそばで回想するシーンがあったので(これまたかわいいいちゃいちゃ)、母が作った幻想説は説得力を持たないのですが。
そう思わないと、マザコン息子を愛せないので、無理やりそのような解釈にしました。
冒頭の記録映画のようなものものしい映像から、ガラス瓶が一瞬で溶ける、原爆が投下されたその瞬間までの場面が、非常にリアリスティックでした。母が長男が枕元に立った、というシーンの兵士たちの姿の仰々しさにも、思わず眉根が寄りました。怖い、と思いました。
戦争を生きた世代の実感が込められているのだと思います。
それらをニノ見たさにやってきている若い女子達の心に残ったら、作った甲斐が増しますな、などと偉そうなことも思いました。
ラストはあんまりいいと思いませんでした。
町子が婚約したとおもったら(それはとても良いことですが)、年越し目前で伸子が死んじゃって、葬式に霊体で現れて親子寄り添って天国に行って、ピンクの世界での死んだ人たちが大合唱しておられました。
母ちゃん死んじゃったら息子は取りついて殺した亡霊じゃんよって思いました。
寿命というにはあまりに吉永小百合は若々しいし、秋あたりから、死亡フラグは見えていましたが、いかんせん若々しく、急に逝きましたなという印象がぬぐえやしませんでした。
上海のおじさんがちょっとかわいそうでした。
全体的にはよかったです。若い子が見たらいいと思います
ファンタジーは時にリアルを超える・・
ファンタジーは時にリアルを超えるというけれど
この映画もそういう作品だと思いました。
特に私自身が描かれている親子の年とほぼ同じせいで
重ね合わせる部分が多かったせいかもしれません。
(親子の雰囲気が甘いのも、
自分を振り返れば、や、こんなもんかなって;;)
人生も後半戦に入ってくると学校時代の同級生や
その連れ合いが亡くなったり、
親が亡くなったりという話をちらちら耳にします。
例えペットでも、大事なものを亡くした人の喪失感は
その人のことを想うこちら側にも伝わってきます。
戦争の悲惨さを強調しないこの映画に
観る側は辛さや怖さを伴うことなくすっと入っていけます。
当時の様子を細かく再現していても
昔のフィルムに残っているような、時代の持つ硬い雰囲気は
あまり感じられません。
なにより親子のひょうひょうとした会話を始め
脇役の面白さあふれる演技が
親しみやすさを倍増させます。
(これは監督の意図なのか、役者が上手いのか
その両方だと思います。)
親子の会話を中心にお話が進んでいくのですが
そのどこを切り取っても
誰かが何かを亡くしている・・・
まったく無傷の人なんていない。
人々は普通に暮らしているように見えても
心の中には暗い喪失感を抱えている。
原因は戦争であり、原爆であり。
その中で描かれる人間模様。
自分の寂しさを後回しにして、町子の幸せを願う母と息子。
恋人と友達を亡くし、自分が幸せになることを肯定できない町子。
自身も戦争で片足を亡くし、家族も亡くした黒田。
前を向こうとしても、自分の心に足を取られているような。
母も決して聖人君子ではない。
自分に好意を寄せる人から闇物資を安く手にいれたり
「何で死んだのは自分の子供で、あの子だけが幸せになるの?」
という、理性を超えた母親の本能というべき言葉も発します。
それでもすべては浩二のセリフ、
「町子が幸せになってほしいっていうのは、実はぼくと一緒に原爆で死んだ何万人もの人たちの願いなんだ」
という言葉に救われる、と思う。
母の想いも、あの最期で救われてると思う。
音楽も映画に合っていて素敵でした。
ラストの合唱は評価が分かれるところ?
いろんな年代の人が一緒に歌っていて、私は良いと思いました。
この映画を作っている時現場の人は辛かったんじゃないだろうか?
二度と戦争をしてはいけない、という監督のメッセージは
役者さんとスタッフの熱意とともにしっかり届いていると思いました。
死んだ人たち、生き残った人たちの気持ち
死んだ人、生き残った人達の様々な本音を聞けたような作品でした。死んだ人達は生き残った人々に幸せになってほしいと思いながらも、心の奥には無念があり、生き残った人達には生き残った人たちで申し訳なさや、幸せへの選択を拒んでしまうなど両者の様々な気持ちが描かれていたと思います。
特に町子が結婚を決め、信子の所に挨拶に行くシーンでは、町子の幸せを願いながらも息子を思う母、幸せへの決心をようやく決めたが浩二、信子を思うと苦しくなる恋人。
両者の思いがぶつかり合い、とても苦しくなりました。
また自分も含め、若い人が見るべきかなと思いました。最初の爆発のシーン、比べ物にならないかもしれませんが、もし自分があの場にいたらこんな感じなのかなと、思うほどの迫力でした。
原爆の恐ろしさ、悲惨さを感じることができました。
後からじわじわと悲しさが波紋のように広がってくいく映画でした。
吉永小百合と二宮和也がよくなかった
吉永小百合は、一生懸命に良い演技をしようとして、二宮和也と同じでリアリティに欠けて…。
脇を固める黒木華とか、子供達、隣のおばさんとかが、凄い自然体で演じてるから、吉永小百合と二宮和也が舞台で演技しているって感じになってる。
亡くなった、黒澤明や小津安二郎が監督だったらフイルムが無駄だって言いそう。
原節子が演じたら、もっと凄い映画になっただろうな。
山田洋次も吉永小百合も、年取ったな。
最後が気に入らない
あらすじを嵐の番組で見てしまった為、内容はともかく大筋が分かってしまって残念。
ストーリーで観る映画ではないことは山田洋次監督なので仕方ないこととはいえもう少し上手く映画の紹介をして欲しかった。
原案となった井上ひさし原作の『父と暮らせば』も知らない自分が無知だから?
知っている人はどう思うのでしょうか。
嵐の二宮演じる浩司と黒木華が演じる恋人町子の悲恋は結果が分かっていながらも泣けます。
母親役は吉永小百合なのでどう演技しても吉永小百合です。
生活感がないとなぁとどの映画でも感じてしまいます。
全体的には終戦直後の一家族とその周りにスポットがあたった小さな舞台の話のはずが最後に反戦映画っぽくなってしまったのはいただけない。
また、母親が亡くなってしまうのは納得いかない。
息子ら家族がいなくなった3年間という時間は想像ができないことだがそこから母親が再生する話では。
簡単に栄養失調?で亡くなってしまっては単に戦争が悪かったと思わざるを得ないし、そう思ってしまう。
母親がもうこの世に幸せがないからと死ぬのを決めてしまったらこの映画で救われることはないです。
そして平和にしましょう的なエンディングロール。
ホントにあれでただの反戦映画になってしまった。
最後の10分でストーリー、演出で駄目になったと思う。
凄く残念です。
母という生き物
浩二の亡霊に町子と黒ちゃんが結婚するかもという話をしながら「どうしてあの子だけが幸せになるの?」と言いながらも、そう言ってしまった自分自身を責めるシーンは残りました。母の本音です。
死期が、迫った母をこの世に迎えに来たのですね。
息子に先に死なれたら同じように喜んであの世に行くと思う。
父と暮らせばを見てないので是非鑑賞したい。
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