ライアの祈りのレビュー・感想・評価
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狙いはわかるが下手すぎる
合掌土偶は座産のポーズ、生命誕生への縄文人の畏敬の念と言われている、八戸以外にも妊婦の土偶は多く出土されている。ベトナムの村の長老まで引き合いにだして子孫繁栄を強調する一方、桃子は子供が授からない宿命を抱えた女性であるから知っている観客はどうなることかと気がもめる。「たとえ子が産めなくても愛がある、未来に残すものは子だけではない」というプロポーズで締めくくられる。そういう女性への応援歌だったとは・・。
キャスティングを画材に例えれば水彩か墨か油彩かどういう絵具で絵を描くかは画家の嗜好、裁量だから観る側が言っても詮無いことだが繊細な心のひだを描くのであれば、あっている様には思えなかった。縄文は多くの日本人のルーツであり壮大なロマンなのだから説明でなく映像や音楽での表現も気配りしてほしい、劇伴の付け方もわざとらしく聴こえるし、中途半端なコメディ仕立てや一本調子の純愛路線でなく芸術が描けるプロのスタッフ、キャストで仕上げて欲しかった。
幸せになって。
原作は全く知らないのだが、もっと縄文文化が色濃く描かれた
物語なのではないかと思った。今作でもほぼオタク?役の宇梶
演じる学芸員が様々な歴史や縄文出土品など紹介してくれるが、
それが物語の軸なのかというとそうでもない。惹かれあう二人
の抱える問題がその後色濃く描かれ始め重い決断が圧し掛かる。
物語の焦点がどこにあるのかが掴み辛く言いたい事は分かるが、
それでどうするつもりなのか、その絵はどうなったのか、など
かなり中途半端な印象を受ける。観ている方はとにかく二人が
幸せになってくれりゃそれでいいんだけどな~と思ってしまう。
人として一番大事なものは何か?が後半の問いになるが、不幸
な離婚を経験している桃子への風当たりは同性から見ても辛い。
そもそも前夫のあの言い草は何だ?不妊で苦しむ元妻にあれは
ないだろうと無神経にも程がある。未だ女性を出産の道具だと
認識している男性や高齢者が多いのは知っているが、苦しみを
味わっていないのに苦しんでいる者を罵るなんて間違っている。
若く結婚しても授からずに苦しんでいた夫婦が周囲にもいたし、
全部が昨今の独身・晩婚・出産高齢化が招いた事態とはいえない。
桃子が自分の母親に詫びる場面で涙が出た。しかしそれに対し
母親が「子供はね、生まれてくれた時に親孝行は済んでるのよ」
あーそうだよなぁと目から鱗。何も要らないから幸せになって
と、親ならこんな風に励ましてやりたいものだよな~と思った。
それにしても宇梶&杏樹という組み合わせはどうなんだろう?
ラブシーンなんてどう描くつもりなんだろうとハラハラしたが
やっぱりなかった^^;でも、無きゃ無いでどうなんだあの歳で?
と、やはり不安は尽きない。ワンダーコアでまずは腹筋運動だ。
(最近よく出ている武田梨奈がやっぱり酒豪の役。ぷしゅ~っv)
シンプルそして号泣
試写会で観て初日も鑑賞。
初より2度目の方が号泣。
人と人の繋がりをシンプルかつ深く感じられる映画。
作りもメッセージもすべてシンプル。
派手さはないし、途中、縄文時代というワードが執拗に感じる部分があるものの、人間として根源的に追い求める幸せの形を、青森の大自然と太古の歴史が教えてくれるようなエンディング。いい映画です。
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