劇場公開日 2015年3月13日

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「淡々としているけど」ブルックリンの恋人たち jedaimasterさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0淡々としているけど

2017年12月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

出演者のミュージシャンたちと、アン・ハザウェイの歌でストーリーが進む映画、と、観ました。ちょうど1時間くらいのところでハドソン川でゾンビーズ、といいながら、即興詩でやりとり。これが最後のキーソングにも使われましたね。さらに次のシーンでアメリカの「I need you」。
使っている歌そのもので心の動きを描いて行く。大げさな展開が描かれない分’日常’を思わせる。寝たきりだったヘンリーが目を開ける直前に、新しい歌が生まれようとしている。弟が事故で寝たきりになる。これ自体が普通の感覚ではとんでもない事件だが、映画になると印象もドラマチックではなく過小化するかもしれず、それは、わかるけど。その中で少しずつ変化し動いて行く日常の儚さと大切さみたいなことが淡々と描かれる。様々な意見、それぞれごもっともとは思いながら、個人的にはものすごく好きな映画でした。ジョン・カーニーものは私もすごく好きです。音楽が精製されていく場の空気を見事に描いてますよね。音楽へのストレートな愛を感じる。それでいてキャラクターを立たせ人間模様を紡いでいる。でも、あれらとこれは単純に比較できません。この映画のさりげなさにちょっとはまってしまいました。まあ、いろいろ深読みして観るのもまた一興、というところかもしれませんが。

jedaimaster