シン・ゴジラのレビュー・感想・評価
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日本人の精神性を見事に活写
高密度の情報量と、311後の日本社会への目配せも見事だが、個人的な本作の最大の注目点は、日本人の長所と短所が表裏一体である点を的確に捉えたところだ。
前半、一人の人間の避難遅れを発見したためにゴジラへの攻撃を決定できず、ズルズルと被害が拡大してしまう点は、普段から問題だと叫ばれる、大事なところで決められない日本人のメンタリティの弱点だ。だが、危機が拡大するにつれ、残った人間たちは何も言わずとも黙々と己の仕事をこなし続け、気がついたら一丸となっている。日本人は何も変わっていないが、未曾有の危機を前に突然目を覚ましたかのように結束し、高パフォーマンスを発揮し始める。
危機にも自分の仕事に没頭する様はサラリーマン根性のようでもあるが、最終的にゴジラを倒すのは、特別な平気ではなくその愚直な奉仕精神だった。
日本人以外には説明のしづらい魅力だが、ここまで的確に日本人の不思議な精神性を描いた作品は少ない。非常に貴重な傑作となった。
個人の感想を超える圧倒的な密度の塊。
『シン・ゴジラ』のスタッフルームには、庵野総監督からの参考作品として『日本のいちばん長い日』『激動の昭和史 沖縄決戦』『ブルークリスマス』と3本の岡本喜八作品と、シドニー・ルメット監督『未知への飛行』のDVDが置いてあったらしい。
『シン・ゴジラ』における引用については喜八作品のスタイルの踏襲や『未知への飛行』の政治会話劇に留まらず、正直追い切れないくらいの要素があるわけだが、引用をただのオマージュでなく、ちゃんと表現の手段にしていて、作品単体として輝くように作られているのはタランティーノにも似ているかも知れない。
また現実の世界の綿密な取材などディテールが濃密な一方で、「在来線爆弾」のような面白い跳ねたアイデアがフィクションとしての強度を確保する。
目に見える圧倒的な情報量以上の氷山の本体の存在が感じられる本作は、娯楽映画の水準を押し上げるみごとな仕事ではないだろうか。
初めて「初代のオマージュ」の成功!!
俺は、庵野秀明が嫌いだった… 大嫌いだった!!!
「エヴァンゲリオン」なんか、庵野一人が自己満足する為に、会社で働く者は
全て、独裁者・庵野監督の下にいる「奴隷」みたいな感じがね…
しかし、この作品で許したの!
初めてエンターテインメント作品として、多くの人が楽しめる映画を作ったからね
「ゴジラ」と言えば、今だ第一作が最も評価されているとも言われ、その「初代」を
オマージュしようとした作品は、ことごとく失敗してきたGシリーズの歴史が…
本当に巨大怪獣が東京に上陸したらの、リアリティーある世界観を描くのに
徹した感がある!!
そして、この作品の主人公は明らかに「ゴジラ」なのである!
都合よく「ゴジラ」を倒してくれる正義の怪獣は出ず、超兵器の
「オキシジェンデストロイヤー」とかは無く、「スーパーX」とか、変なSF的な
メカも登場しない…
では、どうやって「ゴジラ」を倒すかは、映画のラストを御覧下さい…
こんなゴジラ映画あったのか
マイナスゴジラ
怒りとともに脱力
思ってたよりちゃんとしてたけど、台詞多過ぎ早口過ぎ、ゴジラ登場シー...
今だに観返すシリーズ終
う〜ん
とにかく政府関係のグダグダを見させられる前半は苦痛。
特になんら意味ないグダグダなので「はぁ日本らしいね」で早送りで問題ない。
エヴァだと苦もなく見れたけど、実写の役者となると少し演技が下手な人がちょいちょい割り込むので苦痛。
バイプレイヤーと謎に推されてきた俳優たちが滑舌悪いわテンポ悪いわで監督がこれでGO出したのが信じられない。
唐突に登場するバイリンガルな石原さとみも、なぜわざわざバイリンガルの設定にしたのか意味解らないし、石原の英語力と演技力では滑稽でしかない。
監督のお気に入りなのか、やたら重要な役どころにしてるけど、こちらもストーリーにはさほど関係のない自己満足な演技が続くので早送りしても問題なし。
逃げ惑うエキストラもちょいちょい下手な人が混じってて緊迫感が薄れる。
ゴジラが進化していくのと、戦闘シーンは流石で面白かったけど、終始「もしこんな状況だったら、なるべく1人になるように逃げようと」と思わせる、日本人のグダグダぶりにイライラさせられる映画
なんとも禍々しいゴジラ、素晴らしいです
高濃度エヴァヲタからすればシン・ゴジラなんてタイトルは不快でしかなかったし興味もありませんでした。しかし公開後の口コミなど異常な盛り上がりをみて劇場で鑑賞、大衝撃を受けて何度もリピすることになりました。
形態変化の表現や日本国政府の対応などとても面白く、そしてゴジラの禍々しさが素晴らしい。上陸してただただ歩くだけです派手に尻尾振り回してビルを壊すこともなく歩くだけ、それがなんとも怖い。エヴァ風味が強く入ってますがそれも味だと納得させてヤシマじゃなくヤシオリ作戦への展開はとても興奮しました。いややはり面白い!
期待して見た最新作ゴジラ−1がどうにも残念というか自分と合わない内容だったのでBD再鑑賞の上レビューしてみました
まだ未見の方は最新作との比較も面白いかもしれませんのでぜひ見てほしいゴジラ映画です
さすが脚本/ 庵野秀明
さすが 庵野秀明さん。特撮に憧れた若い頃の気持ちを「シン」シリーズにぶつけて、今やりたいことを表現したんだと思った。
このシン・ゴジラはストーリーとその持って行き方が明快だ。映画館の席で、時間の経つのを忘れて没頭できる。単純に面白い。
役者とその演技のさせ方もうまい。こういうところが監督と脚本と演技指導の賜物だと感じた。個人的には、平泉成の臨時首相の立ち振る舞い、その後のシン・ウルトラマンに通じる戦車長斎藤工の役処、自衛隊員の無線言葉の「オクレ」の多用など、そこかしこに登場する 庵野秀明さん的オタク感に包まれた名作だ(笑)
シン・シリーズの最初にふさわしエンタメ作品と云える。今、振り返ると特撮含めてゴジラ -1.0よりこちらの方が映画史に燦然と輝く「特撮怪獣」物の原点に通じるアカデミックさを兼ね備えていると感じる。
何度も観たくなる映画、実際3回も劇場に通った。
擬似オルソ
やはりつまらない
元々ゴジラは子供向け特撮のイメージで、アメリカのよくある爆発ばかりの中身のない映画よりはストーリーがあるくらいの認識だったが、WOWOWで放送するならと録画で観た。
これだけ豪華に俳優を使っているにも関わらず、とにかくつまらなく、気づいたらスマホに集中してしまい巻き戻すを繰り返してしまった。観ずに消そうかとも思ったが、しょっちゅうゴジラ映画が作られ、これだけの俳優が参加するなら面白いところがあるのだろうと我慢して最後まで観ることにした。
1番きついのが石原さんの自信満々の下手な発音の英語。英会話教室のCMの時から相変わらず酷い典型的な下手な日本人にありがちな舌を丸めたような発音で、あれだったら拙い感じの下手な英語の方が聞いている方としては苦痛ではない。悪目立ちしてしまっている。
多少の社会風刺があるものの、ゴジラのデザインも安っぽく子供向けにしては内容が難しいし、大人向けにしては茶番で何がしたかったのだろうかという感想しかない。
子供向け特撮はチープでも一周回って味があるように感じるのだが、何とも中途半端な安っぽさが残念な気持ちになる。
つまらな過ぎて、ゴジラが可哀想に感じたのだが、ゴジラを一方的な悪者にしたてる人間のエゴがテーマだったのだろうか。
異質なれども面白き
この作品はゴジラ映画としてはかなり異質だと思う。これまでのような人間ドラマをほぼ全て排除し、政府や自衛隊のリアルな描写に力を注ぎ(ちょこちょこ政治·社会的なネタ【いくつも形式的な会議をしないと動けないことが多すぎ!など】を挟みつつ)、「現実の日本にゴジラが出たらどうするか?」を見せることに特化している。そのため新鮮な印象を持ったし、その辺もとても楽しめた。
また総監督庵野秀明さんの影響かオタクが作ったゴジラ感が強い。エヴァの代表的なbgmが4回ほど使われていたり、エヴァにありそうな構図のカットがあったり、セリフ回しやテロップの使い方などからもそれっぽい感じはする。往年のゴジラファンやアニメ好きでない人などがその辺を不満に思うのは理解できる。その辺がそこまで気にならなければむちゃくちゃ面白く思える作品だし、私はとても面白く思えた。
恐怖の象徴としての描写は素晴らしい。個人的にそこだけはゴジラ-1.0をも超えていると思う。自衛隊の攻撃を寄せ付けずただ進むだけで全てを破壊していくさまは恐ろしい。bgm やビジュアルのグロさキモさがさらに恐怖をかきたて、もはや絶望の化身かと思うくらいの恐怖のかたまりだった。
ビジュアルに関してカッコ悪いし嫌いではあるのだが、岡田斗司夫さんの解説を見たことで「そういうことなら確かにこのビジュアルであってるよね」と納得できたので問題なし。
あと、自衛隊がとにかくカッコよかった。いつもならあっという間にボコられる自衛隊が、今回は丁寧に描写されていたこともあって、強くカッコよく見えた。
批判点としては、この作品は映画館で見るものではないということ。映画館で見た時、私は音があまりにも大きすぎて軽く音酔いしてしまい、途中で一時退出してしまった。音を調整できるTVで見る方がおすすめだ。
何を?
何を楽しめる映画なのか、よく分からなかった。みんな弾丸のように早口でしゃべりまくり、映画というより舞台のセリフのようで、いろいろなキャラクターが出てくるけれど、どの人物にも共感が出来ないし、感情移入できなかった。ゴジラも海から上がったところは、少しギョッとして迫力を感じたけれど、その後は生物らしくなく、どことなく機械仕掛けのロボットのように感じて、残念だった。日本人の俳優ってこんなにわざとらしい演技しかできないの?と感じてしまった点も残念でした。様々なキャラをたくさん盛り込み過ぎて、そんなプチキャラいらない、と思う役柄がいっぱいあった。最新のゴジラ-1.0を見る前に、以前のゴジラ映画を見ておこうと思って見たのだけれど、シンゴジラがイマイチだったので、比較してどう良くなったか確かめてみたい気もするかな。
珍・ゴジラ
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