シン・ゴジラのレビュー・感想・評価
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エヴァより出でてエヴァより青し
「エヴァ未体験」の同僚が興奮気味に面白かった!と語っていたので、初代ゴジラに通じる災害・災厄としての人間ドラマがウケたんだと思いました。
エヴァから萌え要素を抜き取り、ヤシマ作戦を一本の映画にした感じです。
VFXがしょぼいという評価の人がありましたが、そんなことは無いと思います。とにかく圧巻の映像と、作り込みで、今後20年はこのゴジラを超えられないでしょう。
海外でどんな評価を受けるか知りたいと思いました。
ハリウッド版ゴジラや「パシフィック・リム」が日本の怪獣映画をリスペクトしながら軽く凌駕していったように、庵野ゴジラも着ぐるみ特撮ゴジラをリスペクトしながら軽く凌駕しています。
それは、エヴァでアニメなのに特撮を凌駕した図式を再現したものです。
さらには、今後製作されるエヴァにも影響しそうな一本でした。
2016.8.3
勧められて
「GODZILLA」
面白かった〜
子供の頃リアルタイムでゴジラを観ていたオッサンです、シン・ウルトラマンの
予習的な感覚でAmazon primeで鑑賞。
賛否両論の作品ではありますが私的には全然アリです、ハリウッド版の
「GODZILLA 」も全て観ましたがハリウッド版は勧善懲悪に近く単純、でも
迫力はさすがという感じ、比べてこちらは政治家や官僚が右往左往しながらも
何とか辛勝と全然テイストが違うのでどちらがいいと言う比較論は野暮。
アメリカのモンスター系の映画だとGODZILLA に限らず個人(主人公)が
自ら戦ったり閃きで撃退方法を思いついたり下手すりゃあ大統領自ら戦闘機に乗って
戦うなんてのもありましたよね、そしてラストはお約束の大統領の感動的な
演説で幕を閉じる、まぁこういう時の大統領がメチャクチャカッコいい。
でも日本じゃそんなの絶対無理、寧ろ頼りない政治家と優秀な官僚がなんとか
協力し合って自衛隊が戦うという図式でリアリティーを追求したイメージでした。
リアリティーがあると言っても勿論ツッコミどころは多々ありますが実際には
こんな感じなんだろうと妙に納得。
戦い方も新幹線や在来線による攻撃や生コン打つポンプ車つかったり官民一体で
一致団結というのが妙に日本らしい、勿論随分都合のいいところでゴジラが転んで
くれたもんだとは思いましたが完全無欠のモンスター相手なんだから多少の
ご都合主義がないと倒せないよね。
それとハリウッド版とは違いゴジラその物より政治的な動きに焦点が当たっている為
会議のシーンがやたらと長い、でも不思議と退屈ではなく結構引き込まれました。
武器使用や軍隊出動に問答無用なアメリカとは違いそこに二の足を踏んだり案件の承認に
各省庁の承諾を得たり突然総理に担ぎ上げられた平泉成がラーメン伸びてショボーン
とするシーン、対照的に熱い主人公、ちょっとコミカルな社会派ドラマを観てる
感じで私的には結構面白かったです。
子供の頃観てたゴジラも純粋に楽しめましたがいい大人になった今
これはこれで純粋に楽しめました。
因みにシン・ウルトラマンも初代ウルトラマンをオマージュするシーンがあるとの事で
非常に楽しみです!
どんな危機でも経済を考える日本の姿
いろいろな側面を持つ映画であると考える。主に危機を迎えた時の日本政府の姿を想像し描いたという事は言うまでもない。またしっかりと怪獣を描いた作品でもある。
昨年6月にグリーンランドという人類存亡の危機におけるアメリカ合衆国を描いた映画を観た。そこでは危機を脱した後に人類を再生するための人選が行われ避難の優先順位が決められていた。日本には出来ないであろう事が描かれていたのだがそれよりも前に危機に際して日本政府がどう機能するのか描かれていたのがこの作品と感じた。
怪獣映画の側面については、1代で次々進化するゴジラが描かれたのだが想定を超える存在どころか完璧な物として完全に振り切った描かれ方であった。更にその怪獣に打ち勝とうとする政府は薬を飲ませて無力化すると言う斬新な策を講じる。派手に打ち倒すよりもリアリティを感じたが、怪獣映画として最善手は違う描き方では?
とは言え、非常に面白い作品であった。エヴァンゲリオン をオマージュするシーンもたくさん散りばめられていたのは私としては非常に楽しめた。シン・ウルトラマンが間も無く公開される。どの辺にスポットを当てるのか楽しみである。
三権分立を無視した行政はあり得ない パチンコにシン・ゴジラが登場。なんか、がっかりさせられた。
まぁ、あり得ない話だから。どんな表現をして良いのだろうが、三権分立を無視した行政はあり得ない。結果が良くとも、これでは独裁的軍事国家と同じ。内閣総理大臣は権力者ではない。主権在民を忘れては駄目だ。
さて、あり得ない話だが、原発が爆発すれば、この程度ですむ話ではない。
そして、原発が爆発しても、こんな行政対応だけになるのだろうと、この映画を見て、背筋が寒くなる。昨今の出来事(戦争とか天災)を考えて、国民を守る行政対応が早々に望まれる。未然にそして平時のうちに。
『最後は自衛隊の力だ』と主人公の俳優に臭い演技をさせるが、あまりにも臭いので、アイロニーと僕は感じた。
さて、作品の評価だか、完全に消滅してしまった東京を見せてこの映画は終る。その東京の悲惨過ぎる姿に対して、主人公は自身の事後の進退だけを心配している。その演出と演技が意図的に不自然で、我田引水な茶番に見せようとした演出と思った。僕はそこを評価したい。また、もう一つのセリフでは『ビルトアンドスクラップで今まで再生してきた』と臭いセリフを俳優がはくが、そんなんですまないのは、明白なこと。総選挙なんて頭の中をかすめる訳がない。つまり、全てがアイロニーと見て、この作品を評価したい。不謹慎だが面白い。
ゴジラを越えたゴジラ
東京湾に突如異変が起こり、当初、火山などの天変地異だと思われたが、その正体が巨大不明生物だと判明する。ゴジラと命名された巨大不明生物は驚異的な進化を続け、破壊の限りを尽くしていく。当初、ゴジラを軽視していた日本政府も徐々に対応を強化し、自衛隊出動にまで発展するが、それでもゴジラを撃退できない。そして、ついに多国籍軍による核兵器攻撃が決定される。日本での3回目の核兵器使用を阻止するため、日本政府は英知を結集してゴジラの弱点を解明し、予想外の方法でゴジラを撃退していく。
という粗筋だけで判断すると、従来のゴジラ映画路線を踏襲しているように感じられるが、実際には従来作とは一線を画す作品だった。
ただひたすらに、ゴジラ出現という未曽有の危機に立ち向かう日本政府、自衛隊に焦点を当て、時々刻々変化する状況と彼らの対応をドキュメンタリー仕立てでリアルに観せる。登場人物の家族とか生い立ちとか、大抵の作品で描いているものを一切排除しているので、作品としては、直線的であり、膨らみ、奥行きはないとも言えるが、その分、全編、ピーンと張り詰めた緊迫感が途切れることはなく、スピード感ある展開で、迫力満点の作品に仕上がっている。
また、壊滅的な被害を受けた街、放射能など、3.11東日本大震災が思い出され、怪獣映画というよりは、未曽有の危機に直面したら日本社会はどう対応するのかを描いた作品である。
豪華な俳優陣も話題になっていて、竹野内豊、長谷川博己の演技は光るが、個々の演技の競演というよりは、全員が日本社会を体現しているリアルな群像劇という感が強い。ゴジラは凄い迫力、貫禄であるが、本作の本当の主役はゴジラではなく、その出現により、緊急対応が必要なのに、それでもなお縦社会、法律に拘って右往左往する日本政府を代表とする日本社会だろう。
秘すれば花?
ゴジラは飾り物
言わずと知れた本作。ようやく鑑賞。
評判通りの出来。大怪獣のあとしまつとは大違いの、超真面目な映画。万人受けする作品ではないが、個人的にはなかなか好きな作風でした。
やはりスケールが段違い。
庵野秀明監督ということもあって、ゴジラのビジュアルが凄まじい。CGも日本映画とは思えないクオリティ。圧倒的で非の打ち所のない映像は映画館で見れなかったことを悔やむほどに素晴らしい。そのうえお馴染みの音楽が流れた時には緊迫感を観客に与えてくれる。お見事です。
これまでにないキャスト量で、日本映画好きとしてはたまらない。チョイ役までも豪華でそれだけでも見応えはある。しかも皆ハマり役。政界の雰囲気を見事に作りあげ、重厚感のある作品に。長谷川博己を中心に描いたのは大正解。とてもよかった。ただ、石原さとみの役には納得がいかない。何言ってんのかさっぱりだったし、イライラするし。
大真面目で話が難しく、今日続編の発表がされた「ゴジラvsコング」のような面白みは無いし、政界を舞台にしていることもあってエンタメ性にも欠ける。文字も多すぎるし、後半はかなり垂れて退屈。業界用語をもっと丁寧に説明してくれたらもっと面白かっただろうけど、それでもこれまでしっかりと作ってくれたことには感謝。東日本大震災が裏テーマであることも読み取れました。
もうちょい上手くできた気はするけど、満足度は高め。ゴジラ映画ではないけど、政界映画としてはかなりの出来でした。
ゴジラというより政治のお勉強
ゴジラがメインの映画かと思ったら、色々な政府関係者が出てきて、法律の立案や会議、自衛隊の要請、作戦をどのような過程で行えるかを学べる映画だった。
その観点から見ると、こんなにも色々なところを通さなければならない、許可をもらわなければならない、内閣の方達が殉職した場合はこのような対応するのかなど、勉強にはなりました。
ただ、ゴジラ映画としてみると圧倒的に迫力、ハラハラが足りないのは確かです。多くのゴジラファンはそのゴジラという生物がメインなのを当然期待されていたわけですから酷評されても仕方ないかなと思います。
私個人としてはこのような話し合いばかりの映画でも退屈しないタイプですし、軽く勉強にもなったので、そこまで後悔はないです。
ゴジラ
ゴジラの出現から上陸、破壊活動、そしてその対処までその足元にいるリアルな日本政府がどう立ち回っていくかという映画だった。
実際もこのような動きなのだろうなという関係各所諸々にリアリティがあったし、最終的には総理に丸投げというのもしょうがないがコメディ感もあった。
ゴジラの特撮は流石の出来で上手く実際の映像と合わさり迫力のある暴れっぷりを見れて絶望を良く感じることができた。特に子供ゴジラの不気味さが好きだった。
役者の人の演技も皆さん素晴らしく、女性キャラのキャラ付けはやり過ぎ感が否めないものの許容範囲か。
気になったのはセリフ量。リアリティを出す為にやたら法律や専門用語の様な難しい口調をマシンガンの様に掛け合いしているのだが、むしろコントっぽく、説明的だ。
また、主人公指揮下に置かれるキャラクター達が各部署の爪弾き者達というのも意味が分からない。なぜそんな奴らを集めるのか。普通に優秀な奴連れてこい。
最後のヤシオリ作戦。パワーを使い切ったゴジラが簡単にズッコケるのは百歩譲っても、それぞれ車両がある場所へ本当にベストな所に倒れてくれてしかも凝固剤を入れやすい様に口も開けてくれていて親切だなぁと。
結論:面白かった。
やや理想論ではあるが
未知の危機が迫るとき、今作の当時では福島原発事故だったし、いま(2022年)ではCOVID-19である。
それに対する政府機関が適切な処置を打てないというのもリアルな話ではある。
そのリアルさにこだわったという作品らしく、多分こうなるだろうなと言う内閣や官僚の動きの悪いところも、良いところも描き出されており、好感が持てる。
また主役たるゴジラも、ゴジラ視点に立てば「ただ歩いているだけなのに、なぜ皆が虐めてくるのか」という解釈も出来、破壊衝動に駆られた怪物でもなく、子供の味方でもない、ただ体の大きな生物という所も好感が持てる。
惜しむらくは、もし矢口蘭堂なる政治家が存在しなかったら、東京は、いや世界は絶望的な状況になっていたことであろう。
こういうわけで、今作の最大の虚構は、ゴジラではなく政治家・矢口蘭堂である。
陳腐すぎる
日本国が経験した3.11災害を踏まえた傑作映画
究極のゴジラ映画であるとともに、日本国が経験した3.11災害を踏まえた傑作映画であると唸らされた。
総監督及び脚本が庵野秀明の2016年公開の東宝製作配給の日本映画、監督及び特技監督が樋口真嗣。音楽がエヴァンゲリオン同様に鷺巣詩郎、及びゴジラシリーズの音楽で知られる伊福部昭(再使用)。ゴジラキャラクターデザイン・造形は竹谷隆之。
出演が長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、市川実日子、大杉蓮、柄本明、塚本晋也、高橋一生、余貴美子ら。
まず何より、ゴジラが蒲田君、品川君を経て三段階で変態を遂げるというアイデアと、その具体的造形が素晴らしかった。
そして、想定外の事態に右往左往する政府およぶ御用学者、立川に脱出しようとするが簡単にゴジラにやられてしまう政権幹部を描くストーリー展開が、リアリティを感じさせて実に秀逸。
政府危機の中、共同でゴジラに立ち向かう市川実日子ら変わり者若手官僚たちの姿が、日本の現場力の底力を感じさせて胸を打つ。
市川の好演も有るが、庵野自身がアニメ製作現場の集団創造の能力の高さを信じきれているせいか、加えて観客が自組織の中の優秀な人間が何処に存在するかを把握できているせいか、一定の説得力を感じた。よく出来た上手い脚本と思った。
放射性廃棄物捕食する不明海底生物研究の学者(庵野が尊敬する岡本喜八監督)の海上からの謎の失踪(ゴジラとの合体を暗喩)を冒頭に置き、彼による暗号化資料を解き明かすことでゴジラを倒す薬剤を見出す流れも、とても良く練られている印象。
最後、尻尾に幼体を数体孕んだままゴジラが東京駅脇で凍結して立ち尽くす姿(福島原発の象徴か)が余韻を残し、何とも秀逸。
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