劇場公開日 2016年7月29日

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「庵野らしい、という感想がしっくりくる」シン・ゴジラ 神無森さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0庵野らしい、という感想がしっくりくる

2016年10月13日
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全体的に濃い!
それが一番の感想です。

前情報なしに観たのですが、わりと政治や軍事が絡んだ比較的現実的で、地に足の着いた作風で驚きました。
ゴジラの奇抜さや、異様さに目を奪われがちですが、ぼく的にはこの作品の本質はこちらの渋みのある人間描写だと思います。
登場人物たちが、どこまでもぶっ飛んでいないというか、語り口調から、思考までが本当に「ありそうな」政治家、周辺の人間をうまく表現できてるな、と思いました。
とにかくキャラクターが暴走しない、というか、身の丈以上のことを行わないわけです。
主人公も、一見して自分の理想を過剰に信じ突き進む無茶な人間にも映りますが、それはあくまでも表向きで、実際には理想を信じまっすぐ進む透き通った人物像が、あくまでも「やりそうな」という範疇にとどまっている感じです。
だからこそ、このキャラクターはなんだかなぁ、という小首を傾げながらしぶしぶ観てしまうような違和感は少なく、終始実際の人間関係を遠くから観察しているような感覚で見れました。
もちろん、完全なフィクション作品であり、特撮作品という枷がある以上、どうしてもキャラクターたちが美化されたり、情熱的だったり、極端に成長するといった側面は否めませんでしたが、それでも「なるべくしてなる」成長が多かったと思います。
解釈と理解が受け手側にかなり一任されているエヴァシリーズに対して、「こう見せたい」という庵野監督の積極的なアプローチを感じた気がします。

とうとうと抽象的なことを述べましたが、簡単に作品に対して思ったことだけ言うならば

「え、政治家しか出ないじゃん。大丈夫か?」

「あ、これがゴジラの敵か。なんかキモ」

「え、こいつゴジラなの?あ、進化するんだ…」

「政治家、熱いなぁ」

「あれ、ゴジラやばくない?」

「へぇ、こんな総辞職もあるのか(白目)」

「もうこれ終わりじゃん!無理じゃん!」

「まずはおれが落ち着くわ」

「在来線乗ろう」

って作品でした

全然、一割も語れずに悔しいですが、最終的には水飲みながらヤシオリ作戦の話でキャッキャッするのがみんな基本だと思います

神無森