「このような映画で喜んでいたら日本はゴジラに食われる」シン・ゴジラ yuu1138さんの映画レビュー(感想・評価)
このような映画で喜んでいたら日本はゴジラに食われる
率直な感想は、ゴジラ映画だなという感想。
ゴジラの枠を超える事もなく、ゴジラ映画を下回る事もなく、想像の範囲内の内容で、ゴジラの作画表現のみ良かった。あとは全般的な映像表現は自主制作映画を見せられた印象で、まだまだこの分野では日本映画は進歩してないのを感じました。
日本対ゴジラをうたっているが、過去のゴジラでもそういう描き方はしていたし、目新しいものではなく、国家の動きを細かく描いていると注目されているが、豪華300人のキャストで政治家役の俳優が多く出演していても、キャスティングがはまっていないし、とにかくそろって演技が下手すぎて(台本棒読み)全く生きている政治家に見えない。
総理もバカすぎる。ろくでもない総理でもあんなバカじゃないだろう。
たたみかけるような会話のシーンでも、本来もっと面白く描けるのに、演技、カメラワークやカット割りが普通すぎてイマイチ盛り上がりにかけ不発に終わっている印象。
逆に演出のせいで日本の役者はこんなに演技が下手なのかと見てる方が恥ずかしくなってしまう。
リアルさを出すためには、役者が役者に見えたら終わり。真剣な演技が見る人を引き込み、感動したり、真剣なところにも笑ったりできるのに、そこら辺の人間を上手く描けていない。(アニメチック)
その証拠が、皆さんの感想のほとんどの方が、長谷川、石原、竹野内だの役者の名前で語っていて、演技として観ていること。登場人物が魅力に描かれていてストーリーが面白いのであれば、役柄の名前が出てくるはずである。石原さとみの演じた役の名前を言える人はそういないだろう。
庵野秀明監督は、アニメを演出できて作画表現は優れているが、人の演技指導や実写のカメラワーク、フレーミングなどは、自主制作映画を見てるようで、持ち前のセンスを全く感じなかった。
SFX,VFX技術も日本は、米国に30年は遅れているのではと思う特撮技術で、ゴジラがカメラの前を通り過ぎるシーンでは、肌感がCG感がはっきり分かり実在している感じがしないので恐怖感がないのが残念。
何をするか分からないこの先どうなるのかのハラハラ感はあっても、スピルバーグの宇宙戦争のような恐怖感は皆無。街やビルが壊されても、人が死んでる感じがしないのは、エヴァも同じだが、そこに生きている人々を描いていないからなのだろう。
一つだけ良かったのは、ゴジラの動き。
野村萬斎のモーションキャプチャーは、すごく良かった。第二形態の街中を小刻みに揺れながら這いずり回る姿は、凡人には想像出来ない動きで不気味で良かった。
またゴジラなのか分からない展開も面白く、まんまるのギョロッとした目がギャグのようで笑えました。
庵野監督は過去に宮崎駿監督のナウシカで巨神兵の登場シーンを描いてますが、口から吐く光線はまさに巨神ゴジラ!
まとめると、ゴジラの作画表現は良かったが(CGはイマイチ)、それだけ。
実写なんだからもっと人の生き様を描かないと薄っぺらく感じます。
庵野監督が目指した人類補完計画は日本人総オタクにすることだったのか?!
ゴジラは好きなのでまぁまぁ楽しめましたし、ゴジラ好きには復活がたまらないだろう。
しかし、大人がこの程度の作品でちやほやしていたら進歩はないし、未知のゴジラのように、他国が力をつけ、日本は世界に飲み込まれてしまうのではないだろうか。