「日本人が初めてゴジラという「災害」と出会ったら」シン・ゴジラ Ko Fuさんの映画レビュー(感想・評価)
日本人が初めてゴジラという「災害」と出会ったら
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怪獣映画というよりも災害映画であり、問題提起をする社会映画とも言える。
この作品におけるゴジラとは、怪獣というよりも日本で起こる地震、津波といった災害や、原発を象徴する社会レベルの事故を象徴する存在といえる。そしてそれがもたらすのは国家の混乱であり、政治家たちはそれに対応をせざるを得ない。だが日本の災害対策の政治家たちの対応はマニュアル的であり胡乱であるのは、3.11で全世界に知れた事である。そのマニュアルが崩壊したら?そういった疑問を投げかけてくる作品ともなっている。
映画の中では、それをどうにかするために、ゴジラに対し怯まない矢口という理想的な政治家、巨災研という異人の集まりなどが現われ解決する。これは即ち、今の日本の政治やマニュアルから外れた存在でなければ、マニュアル以上の災害や事故が起きた際に日本は対応できないとも取れる。
ラストで「これからゴジラと共存するしかない」といったセリフは、日本はそういった災害や事故とこれからも向き合っていく運命にあるのだとも受け取れた。そして常に最悪を考えなければいけないのだと。
ゴジラ映画としては首を傾げるものではあるかもしれないが、ある意味で初代ゴジラの映画としてのポジションを歴代ゴジラの中で一番よく理解し現代に再提起せしめた作品だとも言える。
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