劇場公開日 2016年7月29日

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「「真」のゴジラを思い出した」シン・ゴジラ Yumikoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「真」のゴジラを思い出した

2016年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

ああ、そうだ。ゴジラって本当はこうだったんだ…と思い出した。

阪神大震災、東日本大震災、今年なら熊本の地震。
人間の力じゃどうにもならない、なんでどうしてこのタイミングでやってくるのかわからない、恐ろしい自然災害。そしていつまでも戦争をやめられず争う人の愚かさ。
そういうものが集まって形になったのが、戦争の遺物である核兵器のせいで突然変異し怪獣になってしまったゴジラだった。

この映画を酷評している方で「これは自分の知ってるゴジラじゃない!」「こんなのゴジラじゃない!」
と言っている方は、本来ゴジラはどういう経緯で生まれたことを知らないのかなと思う。

私も小さいころに慣れ親しんだゴジラは、宇宙からやってきた怪獣と戦ってやっつけてくれる、
心優しい怪獣ヒーローで、地球の守り神みたいなイメージだった。
でもそれは後からゴジラシリーズの方向性が変わったことでできた要素であって、
本来ゴジラは悲しくて恐ろしいものだった。

幼心に、親に初代ゴジラのビデオを見せられて、わけがわからず不気味で怖かった。
その時の感覚を「シン・ゴジラ」は今になって思い出させてくれた気がする。

そしてそういうものに対するたくさんの大人たち。
役柄の名前はほとんど覚えていないけれど、むしろそれがリアル。実際に災害が起きたとき、一生懸命働いている人はほとんど名前を知られないままなのだから。そしてそういう人たちのおかげで生きていけるのだ。
この映画の主役は、そういう人たちだった。怪獣ゴジラという存在を柱にした、極上の群像劇でした。

見に行ってよかった!!!

Yumiko