「“言いたいこと”を、なるべく言うよ。」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
“言いたいこと”を、なるべく言うよ。
僕の中でこれまで見た“最低映画”は2本だった。スピルバーグの『宇宙戦争』、リリー・ソビエスキー主演の『ザ・ダークプレイス 覗かれる女』。特に『ザ・ダーク・プレイス』は救いようがなさすぎて、見たこと・知ったこと後悔した…。それぐらいの無価値映画。なのにそこにもう一本、加わるとは思わなかった…。それが『前編』は嫌いじゃなかった、後編『エンド・オブ・ザ・ワールド』なんて…。
正直『前編』も良くはなかった。だけど好きなところはあった。石原さとみの演じるハンジ(これは後編も同じです)、全巨人の特撮造形、アルミン、ミカサ、サシャのキャラ、捕食シーンの容赦なさ…など。そのおかげで前編見終えてBlu-rayが欲しくなったし、日本の特撮の今後の発展も予感を感じて嬉しくなった。そこは良かった。そこまでは…。
なのに後編『エンド・オブ~』はその良さすら無くなった…。聞くに堪えない台詞の数々、意図が見えないソウダ瞬殺、クバルのキャラの低能ぶり、実は“巨人(の一人)”のシキシマに、ジャンの呆死、序盤だけの草なぎ剛…とキリがない。とても、賢い脚本家が書いたものとは思えない。まだ僕が書いたほうが絶対遥かにマシになるよ(誰のせいか分からないけど)。
一つ一つ列挙すると、出てくる台詞真剣に書いた?序盤のクバルのエラそうな演説、聞いてて内心“薄っぺらい”。まずキャラの言動・服装で“悪役”臭を出しすぎ。分かり易い悪役置くのが『進撃』って訳じゃないよ。一応原作の王都側はそういうヤツがいるにはいるけど、それでも作者の諫山さんは出し方とか上手かったよ。実写版はあからさまに“クバルが悪”って宣伝してて、“見た目が悪なら、そいつは悪だ”みたいな感じですっげえ軽率。國村さんのお芝居もそのままだから深みもないし、見れば見るほどウンザリしてきて、台詞聞くのも堪えがたい。しかもこいつが原作シンボル“超大型巨人”とか、派手にやっても空しいよ。だってそうだろうなって思ったし。とにかくねえ、クバルいらん!それが最初に言いたいこと!
クバル程じゃないにしても、シキシマもまあ、酷かったね。前編のキャラ、無視してるとしか思えないもん、こっちのシキシマ。キャラがメチャクチャぶれてるわ、グラス持ってワイン入れるわ、行動動機が“怨恨”とかさ、前編の良さ台無しじゃん。特に片手でワイングラスを二つ持ってるシーンがさ、見てて気持ち悪かった。優雅にワイン入れてさ、座りながら真相解説、カッコよさなんか皆無だね。
しかも正体“巨人”ってさ、それなら伏線入れてよ。こっち置いてけぼりなんだから、もっと配慮してくれ。しかも巨人状態の時、力に酔ってるガキだよ。そんなことやってるなら、クバル(=超大型巨人)打倒にエレンと組んで、アルミンたちを守れや。全然カッコ良くなかったし、前編の面影ゼロすぎ。ミカサがシキシマに“あなたの壁は?”って重要台詞言ってるのに、それを本編で生かさないって、脚本会議でしょ!まさに!オリキャラ練るなら、設定練てくれ!
あとジャンの扱いに、オリキャラ・サンナギの要らなさに、結局“空気”の主役エレン。ジャンは原作の重要キャラなのに、クバルに呆気なく殺されるって、バカじゃねえの?本当に?しかも死に方、酷いのなんの。アニメや原作の重要位置にいるってことを見ていれば、こんな陳腐で最悪展開、まず浮かぶってことないよ。サンナギも前編の時からさ、ギャグやってるだけだったし、そもそも火事場の馬鹿力って片づけられるか、あんなチート。建物動かす。化物だろ?ちゃんと考えたキャラなのか?
それに主人公のエレンが、結局“空気”で終わってる!叫ぶだけで何やったか、全然覚えてないまま。三浦さんもハマってないし、ミスキャストで終わったとか…。挙げれば挙げるほど疲れるよ…。
もうさ、とにかくね、過去最大の失敗作。何が酷いって前編の良さも殺しちゃっているんだから…。救いようがなさすぎる。やるんだったら一本の中で、出来る範囲でまずやって!これを今後続けられたら、日本映画が“商品”、どころか“劣化品”に拍車だよ。頼むから自覚と目を覚まして!
上手く書けたか分からんが、これが作品に言えること!以上!