進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド : インタビュー

2015年9月14日更新
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本郷奏多、「進撃の巨人」アルミン役で得た大いなる財産

全世界累計発行部数5000万部を突破する諫山創氏の大人気漫画を2部作で実写映画化した「進撃の巨人」は、紛れもなく今年の日本映画界の注目を一心に浴びた話題作といえる。前編となる「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」は、8月1日に全国427スクリーンで封切られ、現在までに興行収入30億円を突破する大ヒットを記録。9月19日に後編「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」の公開を控えるなか、全編を通じてアルミン役を熱演した本郷奏多が同作への思いを語った。(取材・文/編集部、写真/根田拓也)

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本郷はもともと原作の大ファンだったこともあり、出演オファーは快諾したといい「好きな作品でしたし、こんなに大きなタイトルに出演させて頂けるのは本当に手放しで嬉しかったですね」と笑みを浮かべる。ただ、「アルミンって善か悪かで言うと、完全に善ですよね。そういうキャラクターを演じさせて頂く機会がこれまで少なかったので、少し驚きもありました。今まで演じてきたところとは遠いところにいるキャラクターだと思ったので、何を見て僕に声がかかったんだろう? という戸惑いはありましたが、チャレンジした事のない新しい役を大きな場で演じさせて頂いたら、僕の今後の幅として広がると思いました」と明かす。

劇中では、主人公エレンを演じ“座長”として現場をけん引した三浦春馬、ヒロインのミカサに扮した水原希子とともに中軸を担い、2部作を通じて大きな見せ場を作っている。そして周囲を見渡すと、長谷川博己、三浦貴大、桜庭ななみ、松尾諭、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼、渡部秀、水崎綾女、武田梨奈といったキャリア豊富な先輩から同年代までがそろっており、大きな刺激になったはずだ。なかでも、三浦と水原の名を挙げる。

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「同世代と一緒になることは多いのですが、春馬くんと希子ちゃんと僕は同学年なんですよね。お二方とも、ジャンルこそ違えど一流の人。同い年であれだけ確立したものを持っているんですから、その能力の高さには目を見張りました。一線にい続ける人って、どこか常人とはかけ離れた能力を持っていると思うので、すごく刺激になりましたね」

激しいアクションシーンが全編にちりばめられているなか、立体機動装置での演技はキャストを苦しめたことは想像に難くない。2部作でも、文字通り登場人物たちの“生命線”となるだけに、撮影では扮装統括の柘植伊佐夫がシチュエーション別に、軽量タイプから重量感のあるリアルなものまで3種類を制作した。

ワイヤーアクションによる撮影は過酷を極めたが、それ以前にトレーニングも想像を絶するものだったようで、水原は1日に8時間もワイヤーの練習に費やしたこともあったという。本郷は、「僕はみんなのように飛び回って戦うシーンは少なかったのですが、それでも練習はしました。みんなの努力はすごかったです」と振り返る。そして、再び同い年の2人の名を挙げる。

「春馬くんはもともと運動神経がいいですし、それでいて努力もできる人だから文句のつけようがない。希子ちゃんは、オファーをもらった日からトレーニングを始めたらしいんです。なかなかそういう事って出来るものではないじゃないですか。そういうエネルギーを持っている人なんだな、素晴らしいなって感じていました」

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さらに、特撮界の第一人者である樋口真嗣監督と過ごした時間も、本郷にとって実り多きものになったようだ。「初めてご一緒させて頂いたのですが、人柄がすごく素敵な方なんです。『エヴァンゲリオン』や『ガンダム』にも携わってこられた方なので、僕が『ガンダム』大好きなこともあって色々とお話をしてくださって、レアなガンプラを持ってきてくれた事もあったんです。現場で声を荒げているところを一度も見た事がありませんし、明確なビジョンを持っていらっしゃる。スタッフの声にも耳を傾けているし、すごく魅力的な監督さんでした」

苦楽をともにした仲間たちの努力を、まるで我がことのように語れるところに本郷の美点がある。良いものは良いと吸収しようとする姿勢は、今後大きな財産になるはずだ。今作以外にも、BSスカパー!のドラマ「アカギ」では主演を務め、世界150の国と地域に配信されることが発表されている。それでも、自らの現状をどこまでも冷静に見据えている。

「僕は頂ける作品、役に対して、期待されているレベル以上のものを出せるように頑張っていくだけです。大きなことは言えないですし、望める立場でもありません。このお仕事を10何年やっていますけれど、まだまだ若手なので、頂けるお話は、頂けたという事に意味を見出して、期待に応え続けていきたい。それがどこかでつながっていけばいいですね」

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映画、ドラマと縦横無尽に駆け抜けている本郷にとって、映画というツールをどう捉えているのだろうか。「映画、ドラマ、舞台、どれも演じるという意味では同じ、とおっしゃる方がいますが、それはそれで正しいと思うんです。ただ僕は、スイッチというかモードを切り替えていくタイプだと感じています。それでも、ジャンルにもよります。日常を切り取ったものなのか、完全にフィクションに特化して作り込んだものなのか。今回は舞台寄りと言いましょうか、良いセリフを良い言い方で話す方が適した作品ですよね。格好をつけて言うと安っぽくなってしまうものもあるなかで、『進撃の巨人』はとことん振り切った方が絶対にはまる作品だと思ったんです。巨人と一緒に画の中にいると、人間ってすごく小さく見えてしまうじゃないですか。だから、すごく大きな演技をしないと何をしているか分からないんですよね。これは今回初めてわかったことです。今後、こんなに大きな敵と戦うことはないと思いますけどね(笑)」

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