パプーシャの黒い瞳のレビュー・感想・評価
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黒く深く。
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その才能に目覚めたことで、大いなる名声と不幸を手に
してしまった女ジプシー・パプーシャの人生を描く作品。
そもそもジプシーが文字を持たない(忌み嫌う)ことすら
知らなかった自分には、何で?何で?という感じだった。
そんな文明に囚われることなく生涯を終えるのが彼らの
生き様なのだろうが、文字が好きな私には理解できない。
皆が忌み嫌う文字を習得し、さらに詩に読んだことで、
彼女の才能はポーランド語に訳され出版されてしまう。
本来目出度いことじゃないのよ!なんて思ってしまうが、
その後壮絶な運命がパプーシャを追い詰めていく様子が
描かれ、精神を病んでいく彼女がモノクロームに歪む。
それを得たことで人間は不幸になると同時に、幾つもの
発見や喜びを手にするものだと私は思うが、自身が生き
長らえていくために、コミュニティ尊重という圧力には
抗えなかったのだろう。黒森が深く濃い絆を映すように。
(後悔先に立たず。とはいうけど才能を責めても仕方ない)
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