劇場公開日 2015年10月10日

「ドラマ版を観ておくと満足度倍増」図書館戦争 THE LAST MISSION えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ドラマ版を観ておくと満足度倍増

2015年10月12日
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『図書館戦争 THE LAST MISSION』を鑑賞。
有川浩原作の同名小説の実写化で、2013年に公開された1作目となる劇場版「図書館戦争 LIBRARY WARS」、先日放映されたスペシャルドラマ「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」に続く実質3作目となる。
スペシャルドラマ未見の方は10/14にBlu-ray&DVDがリリースされるらしいので是非鑑賞してから映画館に向かって貰いたい。

前作同様、実写化におけるキャスティングは奇跡的とも言えるほどパーフェクト。
個人的にはどのキャストを見ても違和感ゼロである。

基本的に本作を鑑賞するには、最低でも1作目は鑑賞しておかなければならない。
原作未読の方なら尚更で、本作は平成ではなく正化という仮想の近未来の話であり、メディア良化法が施行され、不当な表現と見なされた検閲対象図書は全て焼かれてしまう。本を読む自由を守るための唯一の機関として存在する図書隊が、不当な検閲に対抗する為、武力を以って抵抗する。という設定を理解しておく必要がある。

さて、本作も前作同様実に楽しめる作品となっている。原作の魅力は臨場感抜群の戦闘シーンとそれとは相反するラブコメ要素にあり、キャラ設定が絶妙な事で、相反する二つの要素が上手く両立しているという点に尽きる。

実写化においてこれらの再現度が素晴らしいので、原作ファンにも支持されるのだ。
しかも、時間の制限上、劇場版では戦闘シーンが中心となりラブコメ要素が少なめになりがちな点をスペシャルドラマという形で補填してきた所が素晴らしく、原作、そして原作ファンをとても大切にしている事が良く分かる。

ドラマでは映画との繋がりでの違和感を感じさせる事なく、コストを抑え人間ドラマ(所謂ラブストーリー要素)を重視させ、上手く本作に繋いでいる。
観ていなくても良いが観ておけばより人物像が深く理解でき楽しめると言う絶妙な位置付けなのだ。

そのおかげで本作では戦闘シーンに集中できる。

登場人物それぞれのキャラクターが立っている作品だからこそ、それぞれの存在を上手く活かした作品として、非常に評価できる作品に仕上がっている。

大前提となる正化という時代設定については突っ込みどころも多いのだが、まずはそれを受け入れ、その中での図書隊の活躍を観ていただきたい。

前作以上の岡田准一のキレッキレのアクションも含め見所は多い良作に仕上がっている。

THE LAST MISSIONとの事だが、是非とも続編を期待したい作品である。

えのきち