屍者の帝国のレビュー・感想・評価
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難しい。死者に問われる、生きていくことの意義。
【賛否両論チェック】
賛:生と死が曖昧な世界で、生きる意味や存在する意義について、改めて考えさせられる。その中での主人公の奮闘も感慨深いものがある。
否:お話としてはかなり難しくて荒唐無稽なので、ラストのシーンなんかは好みがはっきりと分かれそう。グロシーンも多数あり。
死者を蘇らせて使役するという、まさに生と死の境が曖昧になった世界観の中で、「生きていくことの意義」について、深く問われる内容が印象的です。そんな中で、ひたすらに己の信念を貫き、親友を死の淵から救おうと孤軍奮闘する主人公の姿が、とても哀愁たっぷりに描かれていきます。
ただやはり、その世界観故に、どうしても荒唐無稽というか、ちょっと感情移入しづらい印象を受けます。ラストのシーンなんかはその最たるもので、人によっては訳が分からなくて、全く面白くないと感じる人もいるかと思います。
話もかなり難しいので、人間の命についてじっくりと考えたい人に、オススメの作品です。最後は「そこに繋がりますか!」という感じでもありますので、そこにも是非ご注目を(笑)。
豪華なゾンビSF二次創作BL風味
物語的にも映像表現的にも高密度、ハイクオリティな映画だった。冒頭から原作にないエピソードが導入されていて、ぐっと感情移入しやすくなっている。この主人公ワトソンと相棒フライデーのBL的な新設定こそがアニメ版のキモだと思う。おかげで、SF的な背景が理解できなくても、エモーショナルなダークファンタジーとして、あるいは冒険活劇として十分に楽しむことができる。なにしろこの作品のSF的な設定や顛末を理解するのは難しい。というか、原作を読まずに観ていたら、たぶんぼくの頭では理解できなかったと思うし、読んでいてさえ追いきれないところもあった。SF面の仕込み具合やキャラクターの二次創作的な味わいについてはBDを買ってじっくり…あれ?もしかして制作者の思う壺?
理屈抜きの冒険活劇
普通のアクションアニメでした.
Project Itoh第一弾ということで昨年から期待していた作品ですが,予想以上に普通のアニメに仕上げてきたと思いました.
原作は未読でしたが,何となく言わんとしていることは分かりますし,視聴者を置いてけぼりにしないような配慮はされていると思います.
この作品のみ円城塔氏と伊藤計劃氏の合作が原作であり,円城塔氏といえば『スペース☆ダンディ』で難解な脚本を書いていたことが記憶に新しいです.同作品でも,難解でありながら繰り返しみるとスルメのような味わい深さがあり,円城氏の魅力がありました.
一方で,本作はそのような難解さは極力排除しており,分かりやすい人間関係と派手なアクションシーンを前面に押し出してきていました.そういう意味で期待外れではありましたが,十分な品質のアニメには仕上がっているのではないでしょうか.
良い点としては,美術デザインです.19世紀らしい小道具をSF的にアレンジしているのは見事です.屍者の首筋につなぐプラグは『攻殻機動隊』や『マトリックス』へのオマージュを感じさせながらも当時ありそうな痛々しさも残しており,しっかりと作り込まれていると思いました.パイプオルガンを使用した音楽など雰囲気作りもバッチリだったのではないでしょうか.
閉口した点としては,唯一の女性キャラクター「ハダリー」でしょうか.いかにもなプロポーションと服装で,何か理由があるのかと思えば,特に何もなかったのでただの目の保養狙いだったのかと感じました.説明不足はここだけではないのですけど,主要キャラクターで絵面的に浮いていたのを放置するのはどうなのかなと思いました.
あとは,時代設定でしょうか.前半の19世紀のロンドンや古来の戦争シーンからスチームパンクへのワクワク感を高めておいて,クライマックスの超技術連続は逆に興ざめを誘う要因になると思いました.主人公ワトソンの結末を考えると妥当ではある設定ですが,その肉付けを現代的におこないすぎている印象を受けます.
総評すると原作者から予想したものとは違うけれども,一見さんでも楽しめるように仕上げた作品となります.全体的にマイルドにしている分,中毒性のようなものはなく,誰でも楽しめる普通の作品に仕上がっていると思います.
少なくとも,原作を読んでみようという気分にはなると思います.
発想が面白い
魂の重さが21g、知りませんでした。
屍者の有効利用、もう物扱いですね。面白い考え方です。
ストーリーは、理解できましたが、展開は読めませんでした。フライデイとの約束をワトソンがどのように守ってゆくのか。ドキドキして見れました。
原作を知りませんので、違いを言う人もいるようですが、自分は、アニメならではのスケールと展開でこれはこれで楽しめました。(笑)
最後が消化不良でよく理解できませんでしたが、最後のシーンでワトソン博士の現状を見て少しホッとしたのも事実です。(笑)
絶対に劇場で
すごく楽しみにしていたので、公開初日から早起きして観てきました。
素晴らしいです。 本当に。
頭が追いつかなくなる部分もあるかもしれませんが、公式HPのキャラクター紹介等を目に通していればスムーズに観れるかと。
映像も音響もクオリティが素晴らしすぎるので、ぜひDVDでなどと言わずに劇場に行って観るのをおすすめします!
ちなみに私は原作を読まずに観ました。
それでも十分に楽しめると思います。 原作を先に読んで世界観を理解してからでも良いと思いますが、設定が少し違うようですので違う作品を観る気分になるかもしれません。
私はこれから原作を読むつもりでいます。
とにかく劇場で観てほしい作品です!
面白かった
小説を書くことを魂の再生というテーマにすり替えてはいるけれど
円城塔の伊藤計劃との関係性そのままなストーリーなのかなと思うと面白い
ジョークやウィットに欠けてずっとシリアスな展開で単調なので万人向けではないし
イギリスの古典小説をそこここに散りばめた世界観は作品背景の知識があるほど楽しめる
アニメでこんなに骨太な作品が見れるとは思わなかった
この映画に伊藤計劃の魂の一欠片でも残っていることを信じて
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