「「大丈夫」「頑張れ」」風に立つライオン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
「大丈夫」「頑張れ」
さだまさし原作×大沢たかお出演の「解夏」や「眉山」が正直微妙続きだったので、3度目の顔合わせとなる今回の作品こそはスルーしようと思っていたのだけれど、何だか評判良く、便乗するようで恐縮だけど観に行ったら…
これは観て良かった!
ケニアで医療活動に身を捧げた実在の日本人医師をモデルにした物語。
スケール豊か、熱く、直球の感動作!
こういう映画でこういう人物を知ると、ベタな感想しか言えないが、素晴らしい人が居たもんだ!
ケニアの僻地、ゲリラ続く決して安全じゃない地域、次から次へと止まらない重傷の患者…。
巡回ならまだしも、任期が終了してもこの場に留まろうとする決意は誰もが出来るもんじゃない。
主人公・航一郎はこの場に留まった。
今、自分が出来る事。
体の傷を治す事だけがこの地で従事する医師の仕事じゃない。
戦う事しか知らない少年兵たちに戦う事以外の生き方を教える。笑顔を教える。教育を受けさせる。心をケアする。
9人を殺した少年兵ンドゥングに航一郎がかけた言葉に目頭が熱くなった。
日本と決別した航一郎だが、日本に唯一の心残りが。
自分の帰りを待つ恋人・貴子。
彼女もまた、故郷の離島に留まり、父に変わって島一人の医師として働く決意をする。
貴子の航一郎への手紙。
それに打たれた航一郎が貴子へ返した手紙のたった一文に全ての思いが込められていた。
大沢たかおが素晴らしい好演。
明るく、ストイックで、心の広い人柄を感じさせてくれる。
真木よう子、石原さとみも好助演。
現地の素人も多く起用し、中でもンドゥング役の少年が印象を残す。
見ていたら、監督が三池崇史である事を忘れてしまったと言うか、それすら自然に感じていた。
アクション/バイオレンスの鬼才がメガホンを撮り、最初は誰もが意外に思うが、アクションとかじゃなく“熱い演出”は紛れもなく三池節だ。
アフリカの雄大な映像も感動を包み込んでくれる。
航一郎のポリシーとでも言うべき、「大丈夫」。
航一郎が自分に対して言う、「頑張れ」。
そんなありきたりな言葉こそが、どれほど人を勇気づけ、奮わせてくれるか。
アフリカの大地で生き繋がれた命は、教えてくれた夢や希望となって受け継がれていく。
おはようございます😃
近大さんのレビューを拝読させていただき、内容がまた詳しく蘇って来ました。さだまさしさんと大沢たかおさんのタッグは微妙なのですか。最後、やはり危険な場所に行くべきではなかったし、あの航一郎の考えには崇高すぎるというか、感動の中、ちょっと、と思ってしまいました。