劇場公開日 2015年3月14日

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「ケニアの紛争地区で献身的に働いた若き日本人青年医師が遺したもの」風に立つライオン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ケニアの紛争地区で献身的に働いた若き日本人青年医師が遺したもの

2019年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

 実在の人物をモデルに描いたタイトル通りの物語。

 映画を観ていた際には、大沢たかおさん演じる島田航一郎が理想を持ってケニア・ロキチェオに赴任し、明るく患者に接するシーンから始まり、徐々に現実が見えてきて(劇中では、瀕死の少年兵を救えなかった場面から)彼の理想が揺らぎ始め、自分を鼓舞するため地平線に向かって”ガンバレッ”と叫ぶシーンには胸を打たれた。

 只、この後、航一郎と同僚の医師、貴子(真木よう子)との別れのシーンからのラストシーンへの流れが余りに出来過ぎている感が拭えず違和感を感じてしまった。

 さださん自身の当時の経済状況(詳細は真偽が分からないのでコメントしない)や、矢張り脚本がかなり強引にお涙頂戴に観客を引っ張ろうとしている感が強く、ラストは涙したのだがやや釈然としない思いが残った作品。

 餅は餅屋で、三池崇監督はこのようなヒューマンドラマを描くのは得意ではないのかなと思った作品でもある。

 但し、上記のような摺れた見方をしないのであれば、今でも世界各地で危険な仕事に従事している方々や、そういう仕事を選ぼうとしている高邁な精神を持つ若い方々には観て頂きたい作品である。

<2015年3月14日 劇場にて鑑賞>

NOBU