「正統派コメディ良作」エイプリルフールズ えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
正統派コメディ良作
『エイプリルフールズ』を鑑賞。
ドラマ「リーガルハイ」シリーズのコンビによって作成されたコメディ作品。
4月1日、エイプリルフール。
「嘘」をテーマに様々な登場人物の1日を描いたコメディ。
予告編を見る限りでは、三谷幸喜風のドタバタおバカコメディを予想したが、良い意味で期待を裏切られた。
意外にも正統派な作りで、大爆笑とはいかないまでも、クスッと笑いを誘うシーンが数多く散りばめられており、それぞれの登場人物の嘘エピソードが終盤上手く畳まれていく様は観ていて実に気持ちが良い。
嘘にも様々な種類がある。
人を欺く嘘もあれば良心から生まれる嘘もある。
「嘘」と一言で言ってもそれぞれの登場人物のドラマがあり、主人公達にはそれぞれの着地点が用意されている。
また、登場人物同士が少しづつ絡み合う演出はあるものの、おまけ程度に留めているのも良い。
ストーリー上は重要ではないし必要もない。あくまで観客向けのサービス演出に留まっている。
こういう観客向けの細かいサービス精神が、観終わった後の高い満足感を産み出すのだ。
「どこから見ても変人」的なキャラを観客の不快感が生まれるギリギリのラインで留めたり、終盤にはそれぞれのエピソードで「チョットいい話」的な着地点を用意するあたり、実に嫌味がなくて好感が持てる。
それほど笑えない作品なのだが、観終わった後の満足度は高いという不思議な作品。
コメディがあまり好きでない方にもお勧めできるので食わず嫌いの方にこそご覧いただきたい作品である。
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