「不思議な幸福感に包まれる」ヴィヴィアン・マイヤーを探して 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な幸福感に包まれる
クリックして本文を読む
大量に撮り貯めたネガ。おそらく本人には(その芸術的な)価値が分かっていながらも、どうする事も出来ないでいたと思われる。
専門家曰く。
「最後の(どうしたら良いかの)一押しが分からなかったのだろう」
その為に彼女の作品は、生涯世に出る事が無かったはずだったのだが…。
映画は謎に満ちた彼女の生涯を追い掛ける為に、彼女を知る人物達にインタビューする。観客にはそれらのインタビューによって彼女の人となりを知る事になる。
人によっては“変な人“。別の人から見ると“愉快な人“。
フランス人だ!、嫌違う!のやり取りを交互に編集するなど、本当に「どんな人だったのだろう?」と興味が沸いて来る。
思わぬ出逢いから彼女は一躍有名人へと変貌するのだが、本質的にはやはり【偏屈な人】であり、とにかく【収集癖】の烈しい人。
嫌!物を捨てられ無い人…と言った方が適切か。
物が捨てられ無いのは、何だか今の自分を見てるかのようだ(鬱)
友人もおらず(インタビュー等から)男性には嫌悪感を抱き、結婚もせずに生涯独身だったヴィヴィアン。
その最期は哀しい生涯幕の閉じ方だったのだが…。
何故だろう映画を観終わった後のこの幸福感は。
(2015年10月10日/シアター・イメージフォーラム/シアター2)
コメントする