「主人公が魂を絞るように歌う“Speak Low”が印象的な静謐で残酷な恋物語」あの日のように抱きしめて よねさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公が魂を絞るように歌う“Speak Low”が印象的な静謐で残酷な恋物語
アウシュビッツで顔に大怪我を負いながら奇跡的に助かったジャズシンガーのネリー。元の姿に戻りたいという意思に反して整形手術で全く別人の顔にされてしまった彼女は支援者とともに新たな生活を始めるが、生き別れになった夫でピアニストのジョニーを忘れられない。ナイトクラブでジョニーを見つけたネリーだったが、ジョニーは彼女がネリーだと気づかないばかりか、ネリーの遺産を手に入れるため彼女にネリーになりすまさないかと持ちかける。
皮肉極まりない出会いに戸惑いながらもジョニーとの時間を噛み締めるように過ごすネリーの思いが次第に揺れ始め、彼女が魂を絞るように歌う”Speak Low”が誘う、歌詞に呼応した結末が深い余韻を残す静謐で残酷な恋物語でした。
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