オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のレビュー・感想・評価
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トムハの熱演で映画はこんなに面白くなる!
仮にラジオドラマであってもまた見たい(聞きたい)
建設業界人必見の身につまされるサスペンス
建設現場のコンクリート打設担当の現場監督アイヴァンがとある事情から現場を出てロンドンに向かう86分間をきっちり86分で描いたサスペンス。その間画面に登場するのはBMWでハイウェイをひた走るアイヴァンただ一人。あとは彼の妻と息子たち、現場の上司、同僚他と電話で会話するだけというミニマルな設定の中で出張中にしでかしたミスからどんどん追い詰められていく男をトム・ハーディが見事な演技で魅せます。
どんな役柄も自分に引き寄せてしまってどんな映画も自分色に染めてしまうジョニー・デップとは全く対照的に、演じる役柄に完全にシンクロしてしまい、どの映画でも全く違う人物に見えてしまうカメレオン俳優トム・ハーディが世に問うた圧倒的な傑作。これも働くお父さんが身につまされるお話なのでご夫婦での鑑賞はオススメしかねますが、建設業界人必見のサスペンスであることは間違いないです。
夜の高速道路が好きなひとへ
ハマる人にはハマる作品
数々の賞を受賞しているようで、TSUTAYAで気になってYUKIと。
主演…(というか、登場人物はひとりしかいないのだけれど)…はマッドマックスで主役をした有名なトム・ハーディという方。
題名の通り、高速に乗っている間だけで彼の人生が転落していくお話し。
私の読解力ではよく分からない部分もあり、監督、製作者のお話しを見終わった後に見ると…いろんなことが見えてきて納得。
ハマる人にはハマる作品。
私の中では(規模は全然違うし、むしろ逆パターンだけど)「LIFE!」と同類の作品かと。
人生もコンクリートもヒビが入れば脆いもの。
忙しい!
なかなか男気があるというか…
この手の作品は過去にもあり、それぞれに面白さがあった。
この作品も全く飽きずに最後まで観ることが出来た。
ロンドンに向かう車の中で、家族や仕事仲間や、一夜限りの過ちのお相手との会話が続いていく。
電話相手のテンションや、耐えきれず叫ぶ「F◯◯K!!!」な怒り、仕事に対する誠実な対応、そして息子との会話で涙するなど、トム・ハーディ以外は声(会話)だけなのにしっかりと物語として成立してました。
自分の父親の様にはなりたくないからと、何もかも馬鹿正直に生きて、それが人を傷付ける結果になってしまったとしても、それが正しい選択だったのかは分からない。
でも逃げ出さず、全ての責任を取るというのは、なんとも男らしいなと。
でも最後の息子(トム・ホランド)との会話に、少し明るい希望が見えましたねー。
ソーセージを焼いてもらって、サッカーの試合を観ることが出来るのかな…。
それにしても やっぱ、トム・ハーディはカッコイイなー!
崩壊してゆく人生
よく思いついたなあ。
おもしろい!
タイトルなし(ネタバレ)
86分だからギリギリ見られた。
これ以上長かったらキツかったかな〜〜。
でも概ね面白かった。
シーンはどこも同じ高速道路を走る車の中の1人の男。
でも電話だけで、彼の人生や性格、家族、仕事での立場とか色々見えてくるのは面白かった。
家庭も持ってないし、不倫相手を妊娠させたこともないし、むしろ女だけど
主人公のアイヴァンの行動に、自分がアイヴァンでもこうなるなという共感性がやばかった
基本的には真面目なんだけど、危機が訪れた時に
気付かず相手を追い詰めちゃう感じ
とくに同僚?仕事を押し付けた相手には、押し付けたからこそ最後まで責任を持とうとするんだけど、まぁ結局は押し付けたことにはかわりなくて
根回しとか頑張ってたけどね
押し付けた相手が頼りのない人間だからその一挙一動に少しずつイライラしてしまう
わかるわー
でも一番悪いのは自分
妻に話すという大事なことを後回しにしてしまったために
たった一夜で全てを失ってしまう
どうにかしようと電話をかけまくるんだけど
やっぱ電話じゃどうにもならないものってあるし
何かを頼むにしても、こっちができることは限られてるわけだから(車の中、それも高速道路を走行中)煮え切らないことが多くて
でもどうにかしようと すればするほど、裏目に出たり
奥さんはいきなり伝えられたのに
とくには謝りもせず、事実だけを並べ立てて今後の話をしよう
そりゃ奥さん納得しないよね
でも主人公の気持ちもわかる
どうにかしたいという気持ちが先走って
自分は前から知ってるから色々と気持ちの整理はつけられてるけど、奥さんはつけられてないんだよねぇ
息子の空気を読んでか読まなくてかのサッカーの話にはちょっとぐっときたよ
アイヴァンが全てを失って、息子と電話した時にほろっと泣いたのもぐっときた
とりあえずトムホランドくん目当てで見たけど
なかなか面白かった!
俺の信念は正しかったのか?
深夜の高速道路をひた走る車内で、電話の会話のみで繰り広げられる86分の密室劇。
顔を出して出演している役者はトム・ハーディー1人だけのトム・ハーディーによるトム・ハーディー映画。
映画では主人公の決断を表現するメタファーとして三叉路をモチーフとして使用する事が良くある。
右に進むか、左に進むか、人生にとって大きな決断をすること、それにともない切り捨てなくてはならない物との葛藤、それが作品にドラマを生み出す。
対してこの映画の舞台になるのは深夜の高速道路、途中そこから降りる事はできても、目的地まで分かれ道の無い一本道だ。
そこから象徴される今作の物語は『俺の揺るぎない信念は果たして正しかったのか』という『決断の正しさ』を主人公に問い続ける苦悩のドラマだ。
作品中詳しくは描写されてはいないが、この作品の主人公は物語の始まる1日前までは、良き夫であり良き父親であり社会人としても同僚からの信頼も厚い有能な技術者であった事が伺える。
たった1つ犯した過去の過ちが、彼に重大な責任を負わせる事になろうとは…
しかし彼が「悪賢い大人」であればその事態を周囲の人間を傷付け、欺く事によって脱し、自分の平穏な生活を守る事ができたはずだった。
だが彼にはそれができなかった、できない理由があった、彼には彼が生きて行く上で絶対に守らなくてなならない「誓約」があったのだ。
その「誓約」を守る為に彼は自分の「家庭」も「仕事」も「人としての信頼」も、全てを失う事になる。
辛い、辛い覚悟、揺らぎそうになる信念、それでも彼は自分の「誓い」を守る為に深夜の高速道路をひたすら目的地に向かって走り続ける・・・。
僕にはこの作品の主人公の苦難を「所詮、自分の蒔いた種」と笑い飛ばす事はできなかった。
どうしようにも無い失敗をしてしまった時、お前はその「罪」と正面から向かい合う事ができるのか?
事なかれ主義的に事態を納める為に、人の言葉に甘えたり、誰かを犠牲にしたりせず、お前は全ての罪を一身に背負い地獄に落ちる覚悟はできているのか?
この映画に喉元にナイフを突きつけられたような気がした。
映画のラスト、全てを失った主人公に僅かに提示された希望…
自分の信念に殉じた者に救いはあった…そう僕は思いたい。
世の不条理を一身に背負い「男の苦悩」を体現したトム・ハーディの演技は素晴らしかった!彼のファンなら必見の映画だと思います!
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