「観た人全員が…」君が生きた証 ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
観た人全員が…
中盤の仕掛けで椅子から崩れ落ちること必至のヒューマンドラマ。
物語の始まりは主人公サムの息子さんの学校で銃の乱射事件が起こる。
呆然とテレビの報道を見つめるサム。
事件後のサムの生活は転落するように荒んだものになっていき、職を失い家族を失い…。
そこからしばらく経ち、ボートで生活をするようになったサムは過去を捨てて世捨て人のような生活を送っていた。ある日離婚した元妻が彼のもとに、生前息子が使っていたギターと、彼が吹き込んだ曲の入ったテープを大量に持ってくる。
最初は無視していたものの、生前の息子のことを知りたくて曲を聴きギターを弾きながら歌い始め、するといつしか人に聴いて欲しいと思うようになり飛び入りライブで一曲披露する。すると、そのライブに来ていた青年が曲を気に入り一緒に演奏することを持ちかける、というお話。
いろんなところでこの仕掛けについては語られていると思うけど、私にはサモアンフック並みでした。ちょっと想像もしない角度からとんでもなく重いパンチを繰り出されて、ショックでも悲しみでもなくただ茫然としました。
ただ、これを受け止めたうえで今までの出来事を振り返ってみると、ああそういう場面だったのかと納得したり、サムの振る舞いだったり、元奥さんとの関係だったりもうんと納得できる。
そこからは、もうこの映画で何を感じ取るのか、エンディングまでひたすら流れに乗りつつ本当の意味の再生ってなんなのかな、と感じてほしい。
観る価値のある映画。かなり重いのでそういうの観てもいける時にどうぞ。
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