「かわいいだけが取り柄。 自分でも判っている。 だから、なおさらかわ...」おんなのこきらい 虎吉郎さんの映画レビュー(感想・評価)
かわいいだけが取り柄。 自分でも判っている。 だから、なおさらかわ...
かわいいだけが取り柄。
自分でも判っている。
だから、なおさらかわいさをアピールする。
男がチヤホヤするほど、同性は総スカン。そんなことは気にもとめない。むしろ、可愛げのない女を憐れみ、かわいさを売りにする女には思い切り妬みを露わにする。
主人公にするには、あまりにも最低な性格の持ち主である。しかし、本作はそんな女の子に真正面から向き合い、心の奥まできちんと捉えている。
主役の森川葵は可愛らしさを全開しつつも、取り巻き連中といる時、本命の彼氏と二人でいる時、落ち込んでいる彼女に優しい手を差し伸べた男といる時、それぞれの心情をオーバーな演技ではなく、自然体で見事に表現している。
カメラから映し出される映像も、彼女の心の動きに呼応するように時にはクールに、時には柔らかくと変化していく。
監督をはじめ、スタッフ全員が熱意を持って作品に取組んだ結果でしょう。
シーンのつなぎに粗もありますが、そんなことは全然許せるくらいに素晴らしい作品です。
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