ヤング・アダルト・ニューヨークのレビュー・感想・評価
全8件を表示
認めたくないものだな。若さ故の野心というものを
NYブルックリンで暮らす40代の夫婦、ジョシュとコーネリア。子供は持たず、子供が出来た事で倦怠期になった同年代の友人夫婦を尻目に伸び伸びと暮らしているが…、ジョシュはドキュメンタリー映画作家だが、長らく新作を発表していない。
ある時、20代の夫婦、ジェイミーとダービーと知り合う。ジェイミーもまたドキュメンタリー映画作家。
ジェイミーとダービーの何にも縛られない自由気質&SNS世代の生き方に、ジョシュとコーネリアは感化。
ジェイミーのドキュメンタリー映画撮影にジョシュも協力する事になるが…。
NYで生きる人々の人生観や恋愛観。ウディ・アレン的な感じかな…と思ったら、ちょっと違う。
同じ40代の友人には呆れつつも、歳の離れた親交はすこぶる好調。ジョシュはジェイミーをドキュメンタリー映画巨匠の義父にも紹介する。
しかしあるパーティーで、コーネリアがジョシュと間違えてジェイミーにキスを。ジョシュがそれを目撃し、夫婦関係や友人関係に不和が…。
ジェイミーのドキュメンタリー映画の題材は、SNSで偶然見つけた戦争帰りの旧友へのインタビュー。ヤラセだった事が判明する。
ジェイミーとダービーの関係もとっくに破綻。仮面夫婦であった。
何もかも嘘で覆ったジェイミー。ドキュメンタリー巨匠の義父に近付き業界への足掛かりの為に、ジョシュを利用していただけという事を知る…。
ジョシュは義父の祝賀パーティーの席に乱入し、全てをぶちまけようとするが…。
ジェイミーの悪事を暴露するジョシュ。ドキュメンタリー作家でありながら真実ではない!
ところが義父やその関係者らの反応は意外なもの。
それの何が悪い?
おいおいおい…。ドキュメンタリー作家が聞いて呆れる。
結局、業界ってこんなもんなのか…? 尊敬されてる者や注目集めてる者をヨイショ。才ナシや煙たがれている者の言う事は聞くに及ばず。
ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライヴァー、アマンダ・セイフライドらが織り成すケミストリーは上々。チャールズ・グローディンも存在感。
が、もっと洒落てウィットに富んだ大人のコメディ・ドラマ/中年の再起かと思いきや、何ともほろ苦い…。
ノア・バームバックの才は見て取れるが、好みか否かはまた別の話。
今一つピンと来なかったかな…。
ヨリを戻し、養子を迎えようとしているジョシュとコーネリア。
雑誌で人気者となったジェイミーの記事を見る。
ジョシュの台詞とは別に、ある台詞のアレンジが浮かんだ。
認めたくないものだな。若さ故の野心というものを。
老いも若きも…
(雑感)
この映画は最後まで問いを視聴者に与え続け、観る側に何とも言えない不快感と幸福感をゴチャ混ぜにした感情を与えてくれた。観終わった後に、自分の人生に置きかえて誰もが考えられるような工夫がされているし、簡単な設定のようで緻密に計算され尽くされた作品だと思う。
ジェイミーはどうしても好きにはなれなかったが、彼のその後の人生がバラ色だとは想像しにくい。誠実を欠いた者が信頼を勝ち得るのは難しいと思うから。ただ彼は一つの考えに固執する余り視野が狭くなってしまうことのデメリットを示してくれてはいた。それがジョシュには響いたのだと思う。
誰もが一度は経験する先輩・後輩の中で感じる羨望や敬意の眼差しだと思っていたのが、裏切られる瞬間。盲信的に信じていた方は人生のどん底に落ちるが、引き上げてくれるモノが必ず現れる。それは近すぎて気付きにくいが、確実なアドバイスをくれている。
どうしようもなく、突破口が見出せない時に観たい作品。
世渡り上手
若いカップルはレトロな物が好きだったり、中年夫婦はデジタルな物がばかりという異様な光景。
若いカップルにどんどん刺激を受けていくところが見ていて面白かった。
分からないことをすぐにググろうとするジョシュに対して、ジェイミーは少し考えようと言い、思い出せなかったらあえてそのままにしておくところが私の好きなシーン。今度私もやろう。(笑)
私もジェイミーみたいに策略家というか世渡り上手になりたい。。人脈の広げ方、話術でうまく周りを利用してて成功者はこうやってのし上がって行くのかなと感じた。
一緒にいると刺激を受けるの
映画「ヤング・アダルト・ニューヨーク」
(ノア・バームバック監督)から。
40代の熟年夫婦が、20代のカップルと知り合って、
いかに自分たちが、デジタル世界にハマっているか反省する。
そして、若い人たちと行動を共にしながら、
本当に大切なものは何かを、少しずつ気付いていく。
今の中年・高齢者たちは、必死にデジタル社会を取り入れ、
流行にも敏感でありたいと、SNSにも挑戦している。
それに比べ、若い世代は、デジダル・アナログを使い分ける、
そんなライフスタイルを楽しんでいるようだ。
それを象徴するように、画面にはいろいろなシーンが流れる。
中年層が、調べものもゲームもテレビも、ネットを活用し、
健康のためにと、トレーニングジムで汗を流す。
一方若者は、レコード、ビデオテープ、本、タイプライターなど、
良いものは、アナログでも工夫して使うし、
ゲームは大勢でワイワイできるボードゲームなども取入れる。
運動も、わざわざジムに行かず、外で仲間とバスケットボール。
そんな生活を垣間見て、熟年夫婦が同世代の友達夫婦に呟く台詞が
「一緒にいると刺激を受けるの」
刺激とは、何でも新しいものを受け入れることではなく、
縁がないと感じていた世代の人たちとのコミュニケーションかも。
若さなんて、ただの怪物。
「若さ」は「怪物」だと思う。いつの時代も「最近の若いモンは」という文句は消えずに使われているし、ある程度の年齢を超えた人から見れば、20代の若者の価値観なんて想像の遥か彼方かもしれないと思う。しかしながら「自分もそんな風に若くいられたら」と思う気持ちも誰しも抱く感情だと思う。この映画の主人公ベン・スティラーとナオミ・ワッツ演じる40代の夫婦は、映画の後半で自称することになるが「大人になり切れない子供」だ。夫は記録映画の2作目を8年間も編集し続けて一向に完成しないし、妻の方も、2度の流産で子供を諦めたようでいて、本当は気持ちがぐらぐらと揺れて定まらないのを「子どもを産まない生き方もあるし、そういう生き方もかっこいいわ」と思い込むことでどうにか精神を保っているようなメンタルの脆弱さが見え隠れする。(かと言って、会うたびに「子どもを作れ」と言ってくるような、上から目線の友人夫婦にイライラする気持ちは良く良く分かる)
そんな夫婦が20代の若い夫婦と知り合い、しかもその若い夫婦に慕われてしまったから、ますます浮かれて逆上せてしまう哀愁。映画はジェネレーションギャップで笑いを撮ろうなんて愚かなことはしない。寧ろ40代の夫婦の方が近代的なツールを愛用しているし、20代夫婦の方が古風な趣味を持っていたりする。映画が可笑しみを見出すのは、若さに迎合する中年の哀れな姿だ。現実問題として、20代夫婦と40代夫婦が本当の意味で価値観を分かち合うことは困難だ。それを暴くまでをバウムバックは丁寧に描き込んでいく。無関係ともとれる日常会話さえも後々ボディブローのように効いてくる脚本の巧さは、やっぱりバウムバックならでは。
最後にスティラーがアダム・ドライバーの「嘘」を思い切り暴いてやろうとする大芝居の時にバウムバックの腕が光る。20代の若さを持つドライバーは、スティラーの大芝居さえもすり抜けてうまいことやり込めてしまう。20代、40代、60代が重なったとき、もっとも滑稽なのが40代になってしまう切なさと可笑しさ。若さに迎合せず、精神的な成熟を勝ち取りさえすれば、40代が一番旨みに溢れた充実した世代であったはずなのに。
それでもどうやったって、若さに対する羨望は拭い去ることは難しい。でもその都度この映画を思い出せばいい。「若さ」なんてのはただの「怪物」。ろくなもんじゃないさって。
世代交代。
ジョシュ(ベン・スティラー)は、イマイチパッとしないドキュメンタリー映画の監督。妻のコーネリア(ナオミ・ワッツ)との子宝には恵まれなかったものの、充実した生活を送っていた。そこに、ジョシュのファンだと名乗る夫婦ジェイミーとダービー(アダム・ドライバーと、アマンダ・セイフライド)が現れ、気を良くしたジョシュは 交流を深めるが…。
予備知識なく、レイトショーでの鑑賞でしたが、思っていた展開とは違って、何だか少々物悲しい雰囲気に襲われましたね。
作品自体は、面白かったですが 終わりはスッキリしないと言うか、ジョシュは、野心家のジェイミーに上手いように利用され、ジョシュには 1つの時代が終わったことを突き付ける…。これが世代交代なんでしょうね。
でも、ジョシュにはコーネリアという素敵な妻がいる。
今回の出来事を糧に 一皮剥けたジョシュは、コーネリアと共に新たな人生を歩むエンドには 2人の明るいであろう未来が見え隠れし、応援したくなりましたね。
時々笑えます
ファッションや行なっている内容が日本にはあまりお見かけしない変わったかんじのものもあり、面白い。
その他は最後、少し嫌な感じのする終わり方であれが世の常代みたいな事にはしないでほしいように感じた。
結果的にはハッピーエンドのようですが、もう少し希望を持てると良いなと個人的に感じた。
全8件を表示







