「涙なしでは観られないラスト。境遇を超えた心の交流。」サヨナラの代わりに 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
涙なしでは観られないラスト。境遇を超えた心の交流。
【賛否両論チェック】
賛:難病で引け目を感じてきた主人公と、自己破滅的だった女子大生との、立場を超えた心の交流が、微笑ましくもあり切なくもある。やがて迫りくる命の起源に葛藤する姿も、涙を誘う。
否:ケイトの性格やベックの言動等、人によっては快く思わない向きもありそう。ラブシーンも結構あり。
片や、悪くなるばかりの難病に苦しみ、夫や周りに引け目を感じながら生き続けるケイト。片や、自分を見失って、流されるがままの人生を送っているベック。状況こそ全く正反対な2人が、お互いの辛さを知っていくうちに、少しずつ意気投合していく様子がとってもステキです。半身不随の大富豪と黒人ヘルパ―の姿を描いた「最強のふたり」よりも、女性らしい細やかさや感情の豊かさが印象に残ります。
その一方で、逃れられないケイトの〝最期の瞬間”が現実味を帯びてきて、お互いを大切に思っているが故に、時として相手を傷つけ、遠ざけてしまう姿も、非常に切なく映ります。ラストのシーンなんかは、涙なしでは観られないくらいです。
生きることの大変さと同時に、尊さをも感じさせてくれる、そんな作品です。
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