「心に響くフィナーレ」サヨナラの代わりに ちゅうみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
心に響くフィナーレ
難病ALSに侵された女性と彼女を介助する事になった奔放な女子大生との人間模様・心の交流は、映画を観るというより、ふたりを見守っているような気分にさせられました。
親や夫や友人たちが揃って頼りにならなかったり、ダメ人間だったりと、そんなものなのかな、と思えるような環境の中で出会った2人の心が奇跡的につながっていき、心に響くフィナーレに展開していくのですが、そのことは周囲の情けなさと裏腹の状況でもあり、若干複雑ではあります。
そうした余計な感情を補って余りある、ヒラリーの演技力。
そしてエミー・ロッサムの歌声も聴けて満足です。
よく比較される「最強のふたり」とはまた違う激しさと深さがあり、新たな出会いによって まるで解き放たれたみたいな心からの声が届くのと、メイクと共に変わっていくエミー・ロッサムもチャーミングでした。
名大リーガー、ルー・ゲーリックのエピソードと共に語られる黒人男性の妻を偲ぶ様子、ヒラリー・スワンクの絞り出すような声、深い悲しみを湛えながらも前を見据え生きる姿に胸があつくなりました。
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